lua e sol (崖っぷちホテル！) (ページ11)

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「月刊法律世界、ひよこと私、子守唄マニア………どんなマニアよ。」
「あら、名前ちゃん。」
「どしたの難しい顔して。」
「長吉さん、尚美さん。お疲れ様です。」

宇海から預かったメモを眺めながら事務室へとたどり着いた名前を迎えたのは絶賛チェスで対決中の長吉と尚美。持っていたメモを尚美に見せながら事の次第を説明すれば、ロクな客を連れてこないね、と矛先は佐那に向いてしまう。
そんな状況に苦笑して、名前はほんの少しだけ視線を総支配人室へと向けた。

「……ってかガロスイート使うのって結構久しぶりですよね。」
「清掃、大丈夫だったかな。」
「使ってないねやから汚れてはいないでしょ。」

ちょっと不安な清掃係からの返答に名前の苦笑いは一層濃くなるのだった。

ポルドソルスイートの清掃に向かう2人を見送り、見慣れない雑誌の名前が連ねられた
メモ片手に総支配人室に入れば項垂れる佐那の姿。どうやら、ロビーで寝ていた宇海を泊めてしまったことを時貞達に咎められるだろうと危惧しているらしい。
そんな彼女を後目に、名前は窓から外のプールを眺めて宇海から預かったメモの件を話した。

「聞いたことないものばっかりね……。」
「コンビニとかじゃ売ってないよね。私今から出ても平気？」
「え、それって。」
「本屋さんまで行ってこようと思って。」
「ダメだよ！名前にそんなことさせられない！」
「いやいいよ別に。佐那ちゃんこそ、今から時貞の説教受けるんでしょ？」

そんなことを話していれば、噂の時貞と、丹沢とピエールが総支配人室を訪れた。入るなり窓際に名前の姿を見付けて忌々し気に顔をしかめる時貞に、負けないくらい怖い顔をした名前。そんな2人に、ついてきただけのピエールが縮み上がっている。

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