71 ページ30
.
自信を取り戻した豹馬に一安心する。
『まあでも、ここで生き残るために労いと愛の言葉くらい欲しいなとは思ってるよ』
「私からの愛の言葉は高くつくけど」
『世界一で返してやるよ』
「その言葉忘れないでね」
それはそうと、愛の言葉って一体何を言えばいいんだと考える。
考えてる間にも時は進んで、豹馬を早く寝かせなければと再び焦り始める。
いや、こいつはセリフなんて関係なく何でも喜んでくれるだろう。
「はい、いきます」
『よっしゃ、来い』
電話とは言え緊張するものは緊張する。
その証拠に、無意識にベッドの上で正座していた。
「千切豹馬君」
『はっ、かしこまりすぎだろ』
「茶々入れるなら言わないよ」
『悪いって』
そう言いながらゲラゲラと笑う声が聞こえてくる。
1回しばいたろかこいつ。
んんっ、とわざとらしく咳払いをして仕切り直す。
「えっと、豹馬」
『ん?』
「…今も充分好きだけど、世界一になる頃にはもっと好きになってる、から、頑張って、ね」
言い切った…
なんでこんな恥ずかしいことをさせられているんだろうと我に返る。
まあ確かに?
愛の言葉を言った回数なら豹馬の方が上だけどさ?
豹馬からの言葉を待っていると、電話の向こうでかなりデカい物音がした。
「…建物倒壊した?」
『ごめん、ちょっと待っ…』
『ちぎりんもしかして彼女!?』
豹馬の言葉が男の子にしては少し高めの声に遮られる。
ちぎりんって、懐かしいなその呼び方。
電話の向こうで続くドタドタと騒がしい音に耳を澄ます。
『こら蜂楽!邪魔しちゃ悪いだろ!』
『お前ら何でまだ起きてるんだよ!』
『それを言うならちぎりんもでしょ?てゆーかやっぱり彼女!?挨拶させてよ!』
『あーもう潔!こいつなんとかしろ!』
『できたらやってるよ…』
豹馬の声を聞いてわかった。
案外楽しいらしい、ブルーロック。
1717人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にいな(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!!何卒最後までお付き合い下さい〜!!♡♡ (4月12日 2時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - すごく面白かったです!頑張ってください!サイコー! (4月8日 20時) (レス) @page1 id: 2b4aba0b1a (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - 由衣さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🥰これからも頑張れます👊🏻 (2023年4月11日 20時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
由衣 - この作品大好きであります…‼︎尊い…これからも更新楽しみにしています! (2023年4月10日 16時) (レス) id: ddafeb5c63 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - うなぎポテトさん» お気遣いありがとうございます🙌🏻これからも頑張ります‼️ (2023年3月30日 20時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にいな | 作成日時:2023年2月2日 18時