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私と玲王は、別の中学に通っていた。
移動教室もお昼ご飯もいつも1人、いわゆる一匹狼だった。
私を嫌う奴は私も嫌い。
妬むだけで努力もしないような人と友達になるなんてこちらから願い下げだった。
「俺、宮川優。これからよろしくね」
中学3年生にあがった時、出会ったのが宮川優だった。
「私はよろしくするつもりないから」
どうせ大野の名前に釣られて寄ってきただけ。
1週間もすれば私に嫌気がさして去っていくだろう。
「A、一緒にご飯食べようよ」
「気安く名前呼ばないで」
「えー、相変わらずつれないなぁ」
宮川はことあるごとに私に絡んでくる。
1週間経っても、1ヵ月経っても離れていく気配はない。
家柄、整った容姿、高いコミュ力。
宮川は学校の人気者だった。
そんな人が私みたいな嫌われ者に絡むもんだから、女子からの嫉妬は更に強くなる。
「宮川君に近づかないでくれる?」
ある日の放課後。
誰もいない教室で勉強してたら、女子数人が入ってきて私の席を囲む。
「あいつが近寄ってきてるのに?」
「宮川君があんたみたいな奴と仲良くするわけないじゃない!」
「親のコネ使って縛ってるんでしょ?」
醜い嫉妬に付き合ってられるか。
黙って帰る準備を始めると、グループのリーダー格の女子に平手打ちされた。
「…最悪」
「なっ、なによ!」
「先にやったのはそっちだから」
彼女の頬めがけて手を振り被る。
頬に当たる直前、私の手は強い力で抑えられた。
「皆落ち着いて、どうしたの?」
「殴られたから殴り返そうとした。そしたらあんたに邪魔された」
「そうなの?それはごめん」
そう言ってぱっと手を放す宮川。
女子達は彼の登場に青ざめる。
「もうちょっと詳しく教えてくれるかな?」
「この女がっ、宮川君に色目使ってるから注意してたの!」
「宮川君だって迷惑してたでしょ!?」
あくまで私達は悪くないと、宮川に嫌われないよう必死に弁明する女子達。
「うーん、色目使ってるのはどっちかというと俺かも」
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にいな(プロフ) - RENKAさん» 際どいところを攻めていこうと思います🤭 (2023年2月8日 0時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - (名前)さん» シンプルで最高の褒め言葉です!ありがとう🥲 (2023年2月8日 0時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - RENKAさん» ありがとうございます!玲王のポテンシャルをじゃんじゃん引き出していきたいです🫶🏻 (2023年2月8日 0時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - あ、えっどって書こうとしたらえっどんになってる…き、気にしないでくださいね!! (2023年1月31日 17時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - え、えっどんだけど…いいぞ!もっとやれ(( 最&高です👍🏻 (2023年1月31日 17時) (レス) @page19 id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にいな | 作成日時:2023年1月26日 19時