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気がつけば私の視界は誠士郎君でいっぱいだった。
唇には柔らかい感触。
「ねえ、すき」
やばい。
「すきだよ、A」
堕ちる。
彼の熱を含んだ視線が、私を捕らえて離してくれない。
何か言わなきゃ。
そう思っても言葉が一切出てこない。
私の脳内は今、誠士郎君に支配されている。
「A…」
「すっげー行列だったんだけど」
ガチャ、と扉が開いて2人だけの空間に玲王が乗り込む。
ほっとした反面、心のどこかでがっかりしている自分には気づかない振りをした。
「ほらよ」
「あ、ありがと…」
玲王からタピオカを受け取って、ストローを口に含む。
誠士郎君は何もなかったように玲王と談笑していた。
…もし玲王が戻ってきてなかったらどうなってたんだろう。
うるさい心臓を落ち着かせるように小さく深呼吸をする。
「A?」
認めまいと知らないふりをしてきたこの感情と、向き合う時が来たんだ。
ずっと理性がブレーキをかけ続けてきたけど、もういいのかもしれない。
認めてしまえば楽になれる。
楽しいことばかりじゃないのも知っている。
でもどれだけ頑張っても、この感情は、あの心の感覚は拭えない。
私、誠士郎君が好きだ。
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うなぎポテト - あぁぁぁぁぁ!!やっっっばい尊すぎんかです(尊すぎて敬語が使えません!!)せいしろーがかっちょいい……。吐血案件だこれ🫠更新無理せず!!応援してまーす!! (2023年4月3日 13時) (レス) @page4 id: 9030b78ea3 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - のあさん» 他作品も読んで頂きありがとうございます!私自身も皆様が読みやすい文章を意識しているのでとても嬉しいです🥲長文の感想、本当に励みになります!ありがとうございました‼️ (2023年3月13日 21時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 初めての感想です!普段占ツクなどは使わないしどちらかと言うと夢小説もひとつの小説のように読んでいるのですが、にいなさんのお話とても読みやすくて読んでいたら他作品も読んでいた事に今気づいて“あ、ほんとにこの人の書く話面白いんだな”って感動してます! (2023年3月3日 11時) (レス) @page36 id: 69fedd5e4a (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - はにゃ?さん» いつも読んで頂いてありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします🙌🏻 (2023年1月22日 14時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年1月22日 10時) (レス) @page35 id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にいな | 作成日時:2023年1月9日 20時