私を、忘れないで。 ページ9
それが最後の言葉。
その後Aは眠るように、静かに目を閉じた。
声を掛ける間もなく、俺はただその姿を見ていた。
次の瞬間、Aの身体は光を放って、部屋の中を照らし出した。
その光は複数の光の玉となり、部屋をふわりふわりと飛んでゆく。
この一つ一つが、Aの一部なのだろう。
光はまるで空を飛ぶ蝶のように、部屋のあちこちを飛び交う。
＿＿この光は、何処に向かって行くのだろう。
部屋を飛び交い、やがて外へと消えて行く。
抱き抱えていたAはもう何処にも無く、俺の服を濡らした涙も、あいつの温もりも跡形も無く消えていた。
Aの全ては、こんなにも呆気ないものだったのかと、笑いが込み上げる。
＿＿＿私を、忘れないで＿＿＿＿＿＿
ふと、Aの言葉が蘇る。
ああ、忘れない。
忘れられないだろう。
けど、もう一つのお前のお願いとやらは、叶えてなんかやらないよ。
お前は、"灰"にはならなかった。
それなら、ちょっとした希望を持ったって構わないだろう？
待っててやるよ。
何年、何十年経っても、な。
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さき - めちゃくちゃ感動した。泣いた笑った。こんなに笑ったり泣いたりしたのは、生まれて初めてなの。感動や笑いをくれてありがとうございます。 (2019年12月24日 15時) (
レス) id: e7f23e4e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユッパ - 泣きました。 凄くいい話です。これからも、応援しています！！ (2019年8月3日 17時) (レス) id: 707a9255af (このIDを非表示/違反報告)
沫-Tubaki-(プロフ) - むーんさん» ありがとうございます｡この作品を作って本当に良かったなと凄く思います！ (2017年9月14日 7時) (レス) id: 4fb897cc30 (このIDを非表示/違反報告)
むーん - 久しぶりにうらつくで泣きました！感動をありがとうございます。 (2017年9月14日 7時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
沫-Tubaki-(プロフ) - リリアさん» ありがとうございます！！ (2017年8月14日 23時) (レス) id: e532563397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦茶。 | 作成日時：2017年2月24日 23時
