奪わないで。 ページ48
A｢や、めてっ・・・、
私の記憶、奪わないでっ・・・。｣
愛しい人の記憶が消えてゆく。
ガラスを割ったような音を奏でながら、ゆっくり、ゆっくりと。
A｢カー、ル・・・。｣
愛しい人"だった"。
大切な人"だった"。
そんな感情が残るだけで、その人の顔、声、全てが消えていた。
空いた穴は、埋められなかった。
A｢どうして、こんな事、考えてるんだろう。｣
記憶を取ることだけを考えた。
そうすることで、余計な事を考えないで済むと思ったから。
A｢早く、行かなくちゃ。｣
キィ
不気味な音だけが、辺りに響く。
スバル｢A・・・？
Aっ。｣
虚ろな目に、見つめられる。
部屋は所々壊れていて、酷い有様だ。
スバルは私にしがみついてくる。
A｢血・・・
血、くれよ。
渇きが治まらないんだよっ。
ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから、だから・・・っ。｣
私の血しか見ていない。
他はどうでもいいって、そんな目をしてる。
こうなったのは、全部私のせい。
A｢ごめんね。
私が、スバルをそこまで追い込んでしまったんだよね。
私の記憶を取れば、その渇きは癒えるから、だから少しの間我慢してね。｣
そう言ってAは俺の頭に手を乗せてくる。
その瞬間、あの時の記憶が甦った。
自分の母親の記憶を取られた、あの時の記憶、そして恐怖を。
スバル｢やめろ！！！｣
乗せた手が弾かれる。
正気を取り戻したのか、とても怯えていた。
まだ理性が残っていたことに、驚く。
スバル｢俺・・・、俺今何して・・・。｣
俺、何してた？
どうして、Aにしがみついたりなんかしてんだよっ。
目の前のAが一歩、俺に近づく。
スバル｢く、来るなっ。｣
A｢ねぇ、私のお人形だってこと、忘れたの？｣
スバル｢なんで・・・っ。｣
どうして、そんな悲しそうな顔で、笑うんだよ。
A｢・・・っ、うっ。｣
無闇に魔力を使えない今、傷口は開いたまま。
血は今でもダラダラ流れてる。
ライトにも吸血され、もう限界に近い。
でも、痛みはそこまで酷くはなかった。
肉体的な痛みよりも、精神的な痛みの方が強かったから。
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厘堊(プロフ) - わざわざありがとうございます(っω<。)私もググッたんですけど載っていなくて・・・。なのでリヒターの髪の毛の色からDark greenにしてみました(´▽｀) (2016年12月31日 15時) (
レス) id: e532563397 (このIDを非表示/違反報告)
さん - リヒターのイメージラーググったけどイメージカラー載ってなかった… (2016年12月31日 14時) (レス) id: dc66f8082f (このIDを非表示/違反報告)
さん - Σ(ﾟ◇ﾟ；)か！ (2016年11月25日 22時) (レス) id: dc66f8082f (このIDを非表示/違反報告)
厘堊(プロフ) - そうなんですよ！刀剣乱舞やってると社会嫌いな人も好きになれると思います！けれど地理の平野（へいや）を平野（ひらの）と読んでしまうのが難点w (2016年11月24日 18時) (レス) id: e532563397 (このIDを非表示/違反報告)
さん - 刀剣乱舞で全部うめれたんやスゲー!! (2016年11月24日 7時) (レス) id: dc66f8082f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沫‐Tubaki‐ | 作成日時：2016年10月16日 11時
