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「早く虎杖くんの所へ行かないと」


兄との戦いでだいぶ体力を使ってしまった。
これは長引くと厄介
私の後の仕事は呪霊を倒していくのが得策だろう。


取り敢えず誰かと合流したい

そう思い森を駆けていると木の下に人影が見えた


「禪院先輩」

「名前で呼んでって言ってるでしょ…この通り私は棄権したから無駄な体力は残しとくことね」


先輩も真希さんと戦っていたのだろうか



「…彼方と戦ったのね」

「はい。」

「彼はどこにいるの」

「その林を抜けた先に」


私の返答を聞くか聞かずか先輩は
歩き出した。



「あの、」

「なにかしら」

「…兄のこと、よろしくおねがいします」


言いたいことは山ほどあったはずなのに
何を言っているんだろう



「ま、落ちこぼれ同士仲良くやるわよ」


真依先輩は振り返らずにそう言った


「貴方は大切な人の手、離しちゃダメよ」



大切な人…頭に浮かぶのは恵くんのこと。


だけど今はそれだけじゃない


釘崎さんも、虎杖くんも、五条先生だって



「はい。もう離しません」




絶対に離さない





真依先輩の背中は見えなくなった。





「私も自分のやるべきこと探さなくちゃ」




そう言って走り出した私に、私たちに



悪の手が迫っていることはまだ知らない。

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作者名:久遠 | 作成日時:2020年12月27日 1時

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