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彼方とAが対峙している中
他の各々もせめぎ合っていた。


釘崎野薔薇と西宮桃


両者もまた戦闘の真っ只中出会った



〜釘崎視点〜



チッ、あの女


上からぶんぶん動きやがって全く狙いが定まらない…

「降りてこいよクソ魔女!」


「さっきから何度も降りてんじゃん
さっさと捕まえてみろよ。1年」



クソ魔女はそう言いながらも速度をあげる


「(私が浮くほどの呪力の風!!

砂利と枝が混ざるとクソ痛い!

気ぃ抜くと肉えぐられるわね…)」



風が治まって前を見るとあの女はいなかった。



「……!」



気づいた時にはあいつの箒は私をぶん投げていた



「よくも私のご尊顔を…」


「顔の傷も男なら勲章、女なら欠点だもんね」

「あ゛?」

「呪術師が実力主義だと思ってない?」


何を言い出すんだこの女は
こんなにわかりきった実力社会は中々ないと思うが


「実際そうだろ」

「それは男だけ」

「女はね実力があってもカワいくなければナメられる
当然カワいくっても実力がなければナメられる」



「わかる?」



「女の呪術師が求められるのは"実力"じゃないの"完璧"なの
そして真依ちゃんそれ以上の"理不尽"と戦ってるの」




この女



「テメェが面倒くせぇのは分かったよ」



面倒せぇ



西宮は再び釘崎に勝負を仕掛ける


「(この子、1年の割に戦い慣れてる?
何回吹っ飛ばしてもピンピンしてる)」


「(こちとらブン投げられ慣れてるんだよ!!)」



西宮がこれ以上責められない一番の理由は狗巻の存在だった



来るか来ないか分からない呪言師はいてもいなくても
気をつけなければならない。



「説教は、終わりかよ!!」



釘崎が反撃を仕掛ける



「真依ちゃんが求められてるのは"完璧"なんて生易しいもんじゃない

エリート呪術師の家系、御三家のひとつ」



━━━━禪院家━━━━



「そこでは完璧なんて当たり前」


「"禪院家相伝の術式を引き継いでること"
それ以外は落伍者として術師人生をスタートする」


「その中でも女はスタートラインにすら立たせてもらえないこともあるの」


"禪院家に非ずんば呪術師に非ず

呪術師に非ずんば人に非ず"


「そんなカワイい気のカケらのない家に一生仕えて…蔑まれて生きていく」

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作者名:久遠 | 作成日時:2020年12月27日 1時

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