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「鎌代家のあの娘、あの術を使えるらしい」
「やはり"凶兆"はこのためだったのか!!」
━━鎌代家のひとり娘、鎌代Aが巫蠱式術を扱える。━━
御三家はこの話で持ち切りだった。
「だが、あの術が再び世に出回るのか?」
「御三家のどこかに入れてしまった方が安全では」
数百年後に放たれた禁忌の術は
この界隈をざわつかせるには十分な内容だった。
「どうしてあの小娘が…」
「母親は落ちこぼれだったのに」
「同じ過ちを繰り返すぞ」
「(臆病者共がまた何か言ってる)」
白髪の男がそう思っていることは
誰も知るよしがなかった。
色んな言葉が飛び交う中
鎌代家では不穏な空気が漂っていた。
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最近 お母様の様子がおかしい
ずっと家にいなかったのに あの日から
ずっと私のとなりをはなれない。
これでは あの人は来れない あの人のところへ
行けない。
お母様は わたしが だれかと しゃべることをきらう。
だから お世話をしてくれる人以外は
大人達に あいさつを するだけだった
今までは それが当たり前だった。
だけど、少し
あの人と会えないのが
さみしい。
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作者名:久遠 | 作成日時:2020年12月27日 1時