審神者はじめました。【男主】 (ページ23)

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ちょろい大人にはなるなページ23

出陣と鍛刀を重ね、数日。
なんだかよくわからないけれど、たくさんの刀が集まってきた。

―ぼくは、今剣！よしつねこうのまもりがたななんですよ！どうだ、すごいでしょう！―
―僕は、五虎退です。あの……しりぞけてないです。すみません。だって、虎がかわいそうなんで―
―すみませーん。こっちに兼さん……和泉守兼定は来てませんか？あっ、僕は堀川国広です。よろしく―
―乱藤四郎だよ。……ねぇ、ボクと乱れたいの？―
―オレは和泉守兼定。かっこ良くて強い！最近流行りの刀だぜ―
―僕はにっかり青江。うんうん、君も変な名前だと思うだろう？―
―秋田藤四郎です。外に出られてわくわくします―

遠征で薬研たちが持って帰ってきた…いや、連れ帰ったのが４振り。
他は鍛刀で来てくれた刀剣たちだ。
随分と増えた人数は自然と本丸の空気を明るくしていた。

まぁ、それは主にちびっこ・・・もとい、短刀が増えたからだろう。

「主さん主さん！」
「あるじさま～」
『お前ら少しは自重しろ俺がもたん』

いくら子どもの姿をしていても、騙されてはいけない。
戦いを資本とする彼らの体力が普通なわけないのだ。
馬鹿正直に、いくらあざとくおねだりされたからと言って、なんでもホイホイとやってしまってはいけないのだ。

わらわらと周りを取り囲む、自分よりも小さな彼らの脇で、溜息をつきつつしゃがみ込む。
もう疲れたよ、俺もうやれないよ。
そう小さな抗議の意思を込めて。

っていっても、まぁ。

「次はね、蹴鞠をするよ！」
「あるじさまはぼくたちとあそぶの、いやになりましたか…？」

屈託のない笑顔と絶対分かっててやってるだろとしか思えない上目遣い。
それをどこか冷めた目で見つつ。

『―ッしゃ、俺と五虎と秋田、乱と今剣と薬研でチームな。
・・・そうだな、本丸の雑巾がけ３日でどうだ！！』
「え、この前もそういって負けたんじゃ」
「いいよ！絶対僕たち負けないもん！！」
『道連れで悪いけどよろしく頼んだ、五虎、秋田。』
「いや、そこは否定してやれよ・・・」
「主さま・・・」

頼まれたら簡単には断れないし、ましてやちびっ子。
いいように扱われて、そんで踏んだり蹴ったりの扱いをされる。
そろそろサロン〇ス業務用をいくつかこんのすけに手配してもらう必要がありそうだ。

苦笑する薬研とニコニコとこちらを見る小悪魔たち(乱＆今剣)。
どこか悲壮感漂っていた五虎退と秋田の頭を軽く撫で、戦場(庭)に向かう。

いざ、出陣(敗北確定)。