＿＿イレギュラーな思い出を君と【反応集&短編集】

・ ページ19

彼が好きだと言ってくれた長い髪の毛をばっさり切った

ポニーテールができないくらいに

彼が好きだと言ってくれた柔軟剤の香りも変えた

彼が好きだと言ってくれた洋服も捨てた

彼の好みから全て離れて、頑張って嫌われようとした



彼と会った時、驚いたような顔をした

その顔を見て私は逃げ出してしまった

後ろからいふくんの驚いたような声が聞こえたが無視して走った














・いふside

…明らかにAがおかしい

あんな笑い方をするような子じゃなかった

聞いても何も答えてくれんかった、

なぁ、A…辛いことは1人で抱え込まんとってや

Aの辛そうな顔を見ると、俺だって辛くなるんよ…？





Aがいじめられていることをつい最近知った。

それは、Aが学校を休んで３日目のことだった。

先輩達の会話を聞いてしまった。

思わず問い詰めると全部白状してくれた。

女の子1人、大切な人1人守れないなんて…最低だ








久しぶりにAに会った

学校を休んでいて、一週間くらい会えてなかった

公園に呼ばれて、そこへ行くと…



髪の毛を切ったAが立っていた

一瞬誰か分からない程、印象が変わった




その瞬間Aは走り出した


「はっ！？ちょっと待ってや！」


俺は彼女の顔を見た瞬間

今、1人にさせては絶対にいけない。

そう思った


走って追いかける。

アイツあんな足早かったっけ！？なんて思いながら全力で、

そして、Aは赤信号をそのまま突っ切ろうとした


「ばっ！？！？あぶないっ！！！！」

なんとかギリギリで手が届いて俺はAを思いっきり引っ張って、そのまま倒れ込んでしまった。

「なにしてんねんっ！ばかっ！あほっ！死んだらどないする気やったん！なぁ！」

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