過去編 １２ ページ27
カイルside
昔から、父親から聞かされていた話がある。
『俺は一人の女の子を救った事があってな、その子は俺の同僚の娘で、無邪気で素直な子なんだ。
明るくて、周りに元気を与えてくれる。
でもな、その子は少し風邪になりやすくて小さい頃は良く俺の所に来てたんだ。
まぁ、毎回ちゃんと治せたんだが、その子は色々と複雑でな…。』
そこまで話すと、父親はいつも言葉を詰まらせてた。
『…知ってるよ。Aの事だろ。』
ガキの頃から学生になって俺がそう言うまで、父親は【その子】の名前も何も言わなかった。
父親の同僚のシュルテンさん、奥さんのリーベさん、そしてその子供達がリヒトとA。
彼等の事は良くも悪くも有名で、俺の耳にも入っていた。
『…やっぱり知ってるか、』
そう言って力が抜けたみたいに笑う父親が凄く弱く見えた。
『…なぁ、教えてくれよ。
何で魔法の塔の奴等は、Aの家族を苦しめるんだ。』
『…俺にも分からない。
すまないな、カイル。』
そう言って父親は、Aの事について何も話さなくなった。
そのまま俺は学校を卒業して、赤のセブンとして生活していて、Aとも普通に会話していた。
父親とは連絡を取らないでいたら、疎遠になっていった。
「…謎ばっかりだ。」
Aが魔法を使える体質になったのも、Aの家族がどうなってるのかも、魔法の塔の奴らのことも、医者のくせに無力な俺も。
＿…A。
お前は俺の事を恨むか？
無力だって言うか？
｢多分、ありがとうって言って笑うんだろうな。｣
ヨナが出て行ったこの部屋で、俺は打ちひしがれる事しか出来てない。
Aが起きるたびに、安心感と不安と…色々な感情が渦巻くんだ。冷静になれない。俺は、しっかり者の医者じゃいられなくなる。
守るべきものが増える度に、医者という立場にならなきゃいけなくても、【カイル】として動いてしまう。
＿そしたら、俺はなんて弱いんだろう。
何も守れないで、肝も座ってない。弱くてどうしようもない男なんだ。
Aの事もAの周りの人の事も…。
「……そういや、アリスはどうなってんだ…？」
ずっとAの事を見てたから意識していなかった。
黒の軍のキングに惚れ込んでて仮の恋人になったとか言ってたような気がしたが…。
いや、でもアイツはA一途だしな…。…ヨナに聞けば良かったか。いや、でも…。
色々と思考を巡らせていると、部屋のドアがノックされた。
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Re-(^^)(プロフ) - 一気読みしちゃいました更新楽しみに待ってます！！ (2019年10月24日 0時) (
レス) id: ff2569188a (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！(^ー^) (2018年10月23日 23時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
美華(プロフ) - ミヤビさん» 遅くなってすいません！ありがとうございます！(*´ω｀*)納得いかないと嫌なんですよね…｡ありがとうございます！頑張ります！ (2017年5月20日 18時) (レス) id: 860ddc9470 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - 小説書いたことないので辛さをわかることができませんが、応援しています！ (2017年5月19日 17時) (レス) id: d8582f9ac6 (このIDを非表示/違反報告)
美華(プロフ) - コッペパンさん» 本当ですか？！嬉しいです…！頑張りますね！(≧∇≦) (2017年3月27日 0時) (レス) id: 860ddc9470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美華 | 作成日時：2017年3月17日 23時
