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デビュー日が決まり季節は肌寒く変わってきたある日。
いつもは夜遅くなるとスタッフの方に送ってもらうけど、その日は事務所に全然スタッフがいなかった。
しょうがなく足早に宿舎へ戻ろうとした私は、最初の角を曲がったところで後ろに気配を感じた。
振り向いた私は凍りついた。
少し前に私がカバンで殴りつけた男
ソジュンさんが立っていた。
あの時と同じ冷たい目で私を見ていた。
「よう、暴力女」
そう言って見下ろしたソジュンさんに私は後ずさりした。
「この前はよくやってくれたな」
言うやいなや私の肩を掴んで後ろの家の塀に押し付けた。
肝心な時に恐怖で声が出ない。
それでも必死にソジュンさんを押し返そうとする。
ちょっとソジュンさんの力が弱まった隙にソジュンさんを押しのけて逃げようとした。
「ふざけんな」と私の腕を掴んだソジュンさんを振り払った時
バランスを崩した私は
塀の角に顔と頭を思いっきり打ち付けて
そこで意識が途絶えた。
....次に意識が戻った時、救急車の中にいた。
隣には見習いスタイリストでいつも仲良くしてくれていたジョアンオンニ。
ジョアンオンニが事務所を出た時、走って逃げるソジュンさんを見かけた。
不審に思いそちらの方向に向かったら倒れていた私を発見したようだ。
もっと早く見つければ。
Aが帰るのに気づいて送っていけば。
そう後悔を口にして「ごめんね」と涙を流すジョアンオンニ。
瞼を閉じるとソジュンさんの形相が浮かんで右の頬がじんじんと痛んだ。
また気を失うように眠っていた私は、次の日病室で目が覚めた。
鏡の前へ立った私の目に入ったのは、
頬に大きな絆創膏をつけた顔色の悪い自分の姿だった。
整形外科の先生が手術してくれたが大きく傷ついた頬の傷跡は完全には治らなかった。
退院して初めて事務所へ入ろうとした時足がすくんだ。
私の頬の傷を見て顔を歪めた代表は
管理ができなかったことを申し訳ないと謝った。
これからもサポートすると言ってくれたけど
顔に傷があるのにアイドルなんてできない。
そんなことは私が一番わかっていた。
私は自分の全てをかけて追っていた夢を捨てた。
..........捨てなくてはいけなかった。
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しずか(プロフ) - Haru.さん» 楽しみにしています(≧∀≦) (2019年10月2日 15時) (
レス) id: 6e344404e5 (このIDを非表示/違反報告)
Haru.(プロフ) - しずかさん» 温かいコメントありがとうございます。番外編はジュンくんサイドを含め作成中なので、公開しましたら是非ご覧下さい。 (2019年10月1日 16時) (レス) id: 5744d06956 (このIDを非表示/違反報告)
しずか(プロフ) - 面白かったです！ジュンくんsideの物語も詳しくみたいです！番外編みたいなのって書く予定ありませんか？？ (2019年9月30日 21時) (レス) id: 6e344404e5 (このIDを非表示/違反報告)
Haru.(プロフ) - moonさん» 光栄です(;-;)ありがとうございます。ぜひ番外編もご覧下さい！ (2019年9月30日 20時) (レス) id: 5744d06956 (このIDを非表示/違反報告)
moon(プロフ) - 過去1で好きな作品かもしれないです、本当に面白かったです！番外編も楽しみにしてます！ (2019年9月30日 19時) (レス) id: 372cfa5b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haru. | 作成日時：2019年9月14日 9時
