17歳になる前に。 (ページ16)

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epilogue ページ16

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「まじあの時俺必死だったからね」

「うん。あんなに必死なところ

後にも先にも見たことないよ」

「おい(笑)」

アイスティーの入ったグラスを

ストローでかき混ぜると

カラン、と音が鳴った。

あの頃はまだ、シロップがないと飲めなかったけど

今じゃお互いストレート。

そんな些細なことさえ、懐かしくて、輝いて思える。

「でもね、リンがハワイなんかで

式挙げなくていいって言うの」

「リンさんらしいね(笑)」

「一生に一度だよ？綺麗なお嫁さんには、

世界一レベルに綺麗な海が必要でしょ？」

「ふふ、黒田くんも相変わらずだね」

「ちょっと、俺は真剣に言ってんの！！」

唇を尖らせる彼は、あの頃と同じ。

そういえば、私もこの前あの人に

似たようなこと言われたなぁ。

“なんで候補の一個目ですぐ頷くの！？” って(笑)

センスがいいから悩むのが

勿体ないくらいの候補を出すのは

いつもあの人なのに。

「今アイツのこと考えてた？(笑)」

「えっ、いや」

「ぜーったい考えてた！にやけてたもん」

「…ご、ごめん」

お互いに緩み切った顔で言うんだから、互角だ。

そして、黒田くんは時計を見てハッとする。

あ、そろそろ。

「俺、そろそろ戻らなきゃ」

「うん、わかってる(笑)

リンさんのご飯が待ってるもんね？」

「特別じゃない限り、休みの日は絶対

リンのご飯を一緒に食べるって決めてんの」

「ふふ、じゃあ今日はこのあたりで」

「うん。…あ、」

「ん？…あ」

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