17歳になる前に。 (ページ14)

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「…え」

見ると、スタンプが一つ。

犬がやったー！と喜んでいるそれに

思わず通話ボタンを押す。

すると、ワンコールもないうちに繋がった。

「もしもし？あの、黒田くんさっきの…」

「渡せた」

「っえ？」

「プレゼント、渡せた！！」

「ほんと！？」

電話越しでも伝わる嬉しそうな声。

今日はリンさんの誕生日当日だし

渡せたってことは、

仲直りもできたかもしれないってことで。

聞きたいことが山ほどあって、

どれから尋ねたらいいか。

焦って言葉を選べない私に彼は続ける。

「昨日ね、リンさんからごめんねって連絡来てて」

「うん」

「返そうかめちゃくちゃ悩んだんだけど

連絡してこないでって言ったのに、

送ってくれただけで

もう十分だなって思えてきて」

理由も何も書かずに “会いたい” って

初めて送っちゃった。

少し照れくさそうな声に、思わず口の端が緩む。

今まで、リンさんの話をしてる黒田くんを

何度も見てきたけど

こんなに幸せそうなのはきっと初めて。

「だからね、ちゃんともっかい伝えたんだ」

「うん」

「…OK、もらえた」

「っ、え…」

彼の言葉に身構えると、続いたセリフは

予想と違っていた。

またはぐらかされちゃった。

そう返ってくると思っていたから

へへ、と笑う声が聞こえてきて視界が滲む。

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