検索窓
今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:12,083 hit

3.マイペースな女の子 ページ3

「…なにこれ。」

「…混乱して少し記憶が無くなってしまっているようね。恐らく貴女はこの招待状を受け取ってこの荘園へやってきた新しいサバイバーよ。ここで行われるゲームで賞金を獲得するために。…ここまで言えば何か思い出せたかしら。」

「…………何も、思い出せません…。ごめんなさい、ここまで運んでいただいた上に看病までしてもらって。」

「自分の仕事を全うした迄よ。…それに、倒れていた貴女を見つけてここまで運んでくれたのは私ではなくて、」

「エミリー大変!イソップが倒れちゃった!」

ナースさんの話を遮ったのは、勢いよく開かれた扉から現れたツナギの女の子。
もう、何が何だか……

「大変だわ。…ごめんなさい、また後でゆっくり話すわね。貴女はまだ念の為ここで安静にしていて。トレイシー、少しの間彼女についていてもらえる?」

「あいあいさー!」

ナースさん……もといエミリーさんとエマさんが部屋を出て、ツナギの女の子と2人きりになった。

しんと静まり、どっと疲れが押し寄せてくる。
なんだか悪い夢を見ているみたいだ。

あれ、そう言えばさっき…………。


「あの…、さっき言ってたイソップって人、」
「キミ目が覚めてよかったね!!2日間も寝たきりだったからてっきりそのままあの世へ行っちゃうのかと思ってたよ!あはは!」

「は、はは…」

なんて不謹慎なことを言うんだ。
…いや、それはいい。
2日間も眠っていたなんて、私の身に一体何が起こっているんだろう。
少し気だるさを感じはするが、どこか痛いところがある訳でもないし、至って健康だと思うのだが。

未だに状況を把握しきれずにいる私を他所に、ツナギの女の子は先程の便箋を開け、招待状とやらに勝手に目を通している。

何と言うか……何処ぞの兄貴を思わせるマイペース振りだ。

「へえ…、キミ、日本から来たんだね。名前は……、


偽名、か。」

「…え…?……いや、違う。違います。私の名前は…、…」


私の、名前…?


あれ、


名前、




なんだっけ…。

4.月光→←2.サネカズラ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (123 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
229人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 面白すぎて一気に読んじゃいました🥹続きまってます! (5月6日 9時) (レス) @page10 id: ba856a4b48 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - 続きが見たいです😭 (1月8日 15時) (レス) id: 8dd546cbdc (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 凄く面白かったです!もしよかったら続きお願いします(T . T) (8月19日 11時) (レス) @page10 id: c1a52e78cf (このIDを非表示/違反報告)
たんぼ - あおいさん» 🤕とのお別れで号泣しました!!😭😭ゆっくりでも続きを楽しみにしています💞🍀 (7月19日 1時) (レス) id: 9978214574 (このIDを非表示/違反報告)
シズ - めっちゃ面白くて発狂してますw続き書いてください!!!! (7月9日 19時) (レス) id: cb8fed4b67 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いくらちゃん。 | 作成日時:2022年3月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。