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33.暗闇 ページ33

闇雲に、ただただ激しい雨に叩かれながら走って、走り続けて、いつの間にか小さな蔵に辿り着いていた。

暗くて狭くて雨漏りもしているけれど、外より幾らかはマシだった。


けれど。


「寒い…。」


服も髪も靴も、全部濡れて、凍え死にそうだ。

まだ昼間のはずなのに、光がひとつもない。



怖い。



寂しい。



どうしていつも、ボクばかり。






『Aさん、何作ってるの?』

『てるてる坊主。これ以上酷くなりませんようにってね。』

『ガキかよ。』

『うるっさいわねー。あれ、ここ紐が通らないんだけど。』

『貸してご覧。』

『あ、すごい、イライ器用だね。』

『僕も手伝いますよ。』




本当はその輪の中に入りたかった。




『ひ、…今雷鳴った…?』

『聞こえなかったけど。』

『Aさん雷怖いの?』

『は、はあ!?べべべべつに怖いとかそんなんじゃないけど』

『嘘下手すぎ…。』




一緒に笑いたかった。




『ほらマイク、そんなところで突っ立ってないでこっちおいで。


ほら。』




その手を、取りたかった。





猖榲は薄々気付いてんじゃねえのかよ。アイツは困ってる奴を裏切るような人間じゃないって。



ああ、分かってるよ。
痛いほどに。


けどそれだから、そんな優しい彼女だから。
怖いんだよ。
一度信じてしまったら、それが覆された時、もうボクは立ち直れない。


大切なものを失いたくなかったんだよ。







味方はいなくなった。

ナワーブも、イソップも、イライも、

…ノートンでさえも。


いや、最初から味方なんかじゃなかったのかもしれない。

神からも見放されたボクに、居場所なんてないんだ。



バキバキバキ!!!

罰を与えるように、近くで雷が鳴った。





「ぅぅ…、ッ」




この世界でボクは、どうしようもなくひとりだ。






(このまま目を閉じたら、現実から逃げられないかな)

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【湖の宝石】(プロフ) - 最近また見直しているんですけど、ニヤニヤが止まらなすぎて親に白い目で見られる事もありますが、何度読み返してもやっぱりこの作品が第五人格で一番大好きです!素敵な作品を作ってくださり、そして今でも更新してくださり本当にありがとうございます!! (2022年6月21日 23時) (レス) @page1 id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
いくらちゃん。(プロフ) - 暁郗さん» イラストを褒めていただき嬉しいです!ナワーブくんはシリーズ1へお引越し、2にはイライくんのイラストが来るのでまた見てやってください! (2021年8月10日 13時) (レス) id: 30d3d73915 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 俺の推し(ナワーブ)がイケメンすぎて辛い、ありがとうございます……………。 (2021年5月4日 9時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 待って待って待ってください、ナワーブ君のイラストイケメンすぎじゃないですか??え、推しが尊い(遺言) (2021年5月4日 9時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
いくらちゃん。(プロフ) - りなさん» 少しでも補給になっていれば嬉しいです!笑 (2020年8月31日 22時) (レス) id: 30d3d73915 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくらちゃん。 | 作成日時:2020年4月10日 21時

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