26.お父さん ページ26
時刻は間も無く午後6時。
日も沈みかけ、外は優しいオレンジ色。
今はジャンケンで勝ったナワーブが1番風呂に入っていて、
私は台所でイライに野菜の切り方を教えている。
1時間程前突如としてここの住人に仲間入りしたイソップはというと、ソファーにノートンと並んで座りテレビを観ていた。
ほとんど初対面の男が複数いる家で普通にしていられる私って何なのだろうか。
我ながら図太い神経だと思う。
そんなことを考えていると、隣から心配そうに声が掛けられた。
「いや、今更だけどすごく不思議な事が起こってるなって。」
私の言葉をその通りに解釈してくれたらしいイライが苦笑いする。
「Aは順応力があるよね。私はまだ正直実感が湧いていないよ。突然知らない場所に来てしまうなんて、御伽噺の中にいるみたいだ。」
「御伽噺ならせめて扱いに困らない人を寄越して欲しかったわ。」
何気なくイソップの方をもう一度見る。
初めて会った時のあの反応。
人見知り、とかそういったレベルではなかった。
彼とコミュニケーションをとるのはかなり骨が折れそうだ。
「イソップは人一倍物事に敏感なんだ。初めは私もどう接するのが正解なのか分からなかったけど、…案外打ち解けるのは簡単だったりするんだ。」
「ほー…。」
私が教えた通りに白菜を切り分けながらそう語るイライ。
この男はいつも彼らの事を誇らしそうに話すが、その様子といい面倒見の良さといいまるで…
「お父さんみたい。」
「…は？」
脈略のない私のその発言にイライの手が止まった。
初めて見たよ、君のそんな間の抜けた顔。
「イライは彼らのお父さんみたいだなって思っただけ。…あ、お風呂上がったみたい。入っておいでよ。」
「え、ああ、うん。」
(風呂上がったー。)
(おかえりー…って、ちょっと待って、ちゃんと服着てから帰ってきなさいよ。一応私レディーなんですけど。)
(ああ？んな細かい事気にすんなよ。大体アンタ男と変わんねえからその胸板、)
(よし、貴様に肉は食わさん。)
(…ジョークだよ。)
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いくらちゃん。(プロフ) - 【涙奈】さん» ああっ、ナワーブを描いたと伝わってよかったです！ありがとうございます、現在シリーズ2の方をリメイクしております！ (2021年8月9日 13時) (
レス) id: 30d3d73915 (このIDを非表示/違反報告)
【涙奈】(プロフ) - な、ナワーブのイラストが…尊い！ (2021年8月9日 13時) (レス) id: abf8c2ae5b (このIDを非表示/違反報告)
。。みかん - 私が名前間違って覚えてただけでした、、、サーセン！ (2020年10月4日 21時) (レス) id: be1335f358 (このIDを非表示/違反報告)
。。みかん - アンドルーっていたっけ、、、あれ？私がにわかなだけか？、、、インキャ組すこですわ。うん。インキャ組とマイク君はもう、、、ね？作者様貴方とは気が合いそうだ結婚しよう（）あ、そういえば本名ではないと思うんですけど、幸運児はラックとよばれていたと思います。 (2020年10月3日 23時) (レス) id: be1335f358 (このIDを非表示/違反報告)
いくらちゃん。(プロフ) - さとみさん» ご閲覧ありがとうございます！長く楽しんでいただけてとても嬉しいですっ。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2020年9月16日 16時) (レス) id: 30d3d73915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いくらちゃん。 | 作成日時：2020年2月24日 23時
