【ヒロアカ】手違いで男子として入学しました。 (ページ6)

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6.卵焼きページ6

私の秘密を明かしたあの日から、私と緑谷くんはよく共に行動するようになった。
思い上がりじゃなければだけど、多分私が他に友だちがいないことを気にしてくれているんだと思う。

現に今、

「私ね、ずっと水瀬くんとお話してみたいなーって思ってたんだー！」

「俺もキミとはまだきちんと話していなかったからな。よければ色々と聞かせてくれないか。」

隣には緑谷くん。そしてテーブルを挟んだ向かい側には麗日お茶子さんと飯田天哉くんがいる。

場所は食堂。
午前の授業を終え、我先にと賑わうここに私は初めて来た。
というのも、緑谷くんが2人と話してみないかと気を利かせてくれたからで。

普段は教室で昼食を摂るためなんだか新鮮だ。

軽く挨拶をしてから、私たちは昼食を摂ることにした。

「む、水瀬くんは弁当を持ってきているのか。」

「本当だ！お母さんが作ってくれるん？」

「ううん、一応自分で…。」

皆が学食に手をつける中、私が取り出したのはお弁当。
余程珍しかったのか麗日さんは目を開いて声を上げた。

「ええ！？自分で！？！？それ全部手作りだよね！？」

「うん。簡単なものだけど。」

「絶滅危惧種の料理男子や…。」

「いやいやそんな大袈裟な。」

そんなやり取りをしたあと、さて食べるかと箸を持った時。
斜め前から感じる熱い視線。
見れば麗日さんが私をじっと見ていた。いや、正しくはお弁当の中身を見ていた。

「………えと、よかったら食べてみる？」

「いいの！？！？」

「麗日くん遠慮なしだな！！」

飯田くんの鋭いツッコミに苦笑いしながら、私は弁当箱と箸を渡した。
キラキラと瞳を輝かせる麗日さんは弁当を受け取ると、箸で卵焼きを一切れ持ち上げゆっくりと口に運んだ。

「おいひい…ひあわへ…」

本当に幸せそうな表情の彼女に、思わず私も頬が緩む。

「そんなに喜んでもらえると僕も嬉しいなあ。まだ沢山あるからよかったら食べて。」

「爽やかイケメン…」

((あ…水瀬くんのお箸普通に使ってしまった…))
(麗日さんどうかした？)
(え、ああっ、ナンデモナイヨ！！)