【ヒロアカ】手違いで男子として入学しました。 (ページ26)

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26.合同訓練ページ26

貴女side

某日、5時限目。

「今日はA組とB組で合同訓練を行う。」

相澤先生の声に皆がゴクリと生唾を呑む。
この緊張した空気の中、定規で測ったような挙手をするのは我らが委員長飯田くん。

「以前行ったヒーロー対ヴィランの実践と同様だと聞きましたが、チームはどのようにして決定するのでしょうか。」

「クジ引きだ。」

「「(適当だ)」」

そして。

「足を引っ張るなよA組。」

「う、うん。」

私とペアになったのはB組の物間寧人くん。

関わるのは今日が初めてだけれど、彼の個性については何となく把握している。

A組の皆からの評価は正直良くはないようだけれど、実践においては戦略能力に長けていて、敵に回すと恐ろしいということは明快。

「物間くんとペアになれて良かったよ。宜しくね。」

「…ああ、宜しく。水瀬くん。」

さて、各々作戦会議を終え、一組ずつ実習が始まった。
当事者でない私たちは巨大な画面に映し出される彼らを観察し、自分たちの対戦に向けて策を練る。

「彼の動きは一見単純に見えて、相手を翻弄するように作り込まれているね。」

「え？」

不意に隣で呟いた物間くんの視線の先には、モニターに映る爆豪くんの姿。

確かに普段から感情に任せての言動が多い分実践でも同じだと思われやすいが、しっかりと敵をひきつけ誘導し、味方を目的地まで安全に行かせられるように配慮しているのが分かる。

実際目の前で戦えば、そんな事気づけるわけもないのだけれど。

「物間くんは観察力もあるんだね。すごく勉強になるよ。」

「……」

「物間。」

「？」

背後から物間くんを呼ぶ声。
その声の主は轟くんだった。

轟くんは「ちょっといいか」と物間くんを誘いだし、若干怪しみながらも仕方なしと腰を上げた物間くんを連れ、少し離れた場所まで行ってしまった。

一体どうしたのだろうか。