【ヒロアカ】手違いで男子として入学しました。 (ページ12)

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12.つかめないページ12

「峰田くん、どこ行くの？早くご飯食べないとお昼休み終わっちゃうよ。」

「お前ご飯のことばっかりかよ。」

暫く歩いて、中庭に着いた。
俺は離れたところから2人を見守ることにした。

「えっと、話があるなら食堂でいいと思うんだけど。」

まるで訳が分からないと言ったふうにそう口にする水瀬に、峰田は大きくわざとらしいため息をついた。

「水瀬よぉ、オイラが何のためにあそこから連れ出したか分かんねえの？」

「わかんない。」

即答かよ。
まあそうだろうな。アイツからしたら急に女子との会話邪魔されて連れ出されたわけだし。

さて、峰田はどうでるか。
じっとその後ろ姿を見守っていれば、峰田は大きく息を吸って、口を開いた。

「女子侍らせるのやめろよ！！」

「侍らせるて。」

随分ストレートな物言いに思わずひとりつっこむ。
もう遠回しに女子たちとの関係を割こうとするのはやめたらしい。

そんな峰田を前に水瀬は少し考えるように顎に手を当てて、暫くしてから「あ」と何かを思いついたのか手を打った。

「…もしかして峰田くん、あの中に好きな子がいるの？」

ガクッと肩が下がった。
どう考えたらそんな結論に至るのだろうか。
しかしアイツは至って真剣な様子。

峰田も困惑しているようだ。

「何でそうなっ、いや全く違うってわけじゃないかもだけど」
「だったら僕協力するよ！」

「はぁ…？」

「誰かの恋を応援するとか、なんか、青春っぽいし…。」

段々と変な方向に話が進んでいる。
水瀬ってもしかして結構阿呆なのか…？
何故か照れ気味の水瀬に峰田は顔を顰める。

「意味わかんねえ…。オイラは、」

そんな時、中庭に面している3階の窓から「キャ！！」と声がする。見ればそこから花瓶が落ちてきているではないか。
マズイ、その下には…！

「峰田！水瀬！危ねぇ！！！」

「「！！！」」

手を伸ばすが、離れている場所にいる俺が届くわけが無い。
グッと目を閉じた。