【ヒロアカ】手違いで男子として入学しました。 (ページ4)

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4.秘め事ページ4

その後の実習、緑谷くんは分かりやすく動揺していた。
普段はしないような凡ミスを何度も繰り返すし、私と目が合えば顔を真っ赤に染めるし。
そんな緑谷くんに私は心の中で謝ることしか出来なくて。

それでもきっと優しい彼は色々と考えて気に病んでしまうだろうから、私は事情を説明する事にした。

授業終わり、すれ違い際に放課後教室で待っていてと伝えると、彼は静かに頷いた。

「…みんな帰ったね。」

誰もいなくなり、暖かいオレンジの光が窓から差し込む教室。
どこか緊張した面持ちで自分の席に座って呟く緑谷くんは、気まずいのか私と目を合わせない。

「ごめんね、麗日さんたちと帰るはずだったんだよね。」

「う、うん。でも用事があったわけじゃないから平気だよ。」

「そっか。よかった。」

「……」

「……」

「あの、」

「今朝はごめんね。変なもの見せちゃって。」

苦笑いしながら謝罪をすると、緑谷くんは勢い良く顔を上げて首を思い切り横に振った。

「いや！！！全然変なものじゃない、というか！！！僕の方こそ本当にごめん…！！！」

「ふふ、声が大きいよ。」

「あ、ごめん…。」

彼は本当にいい人だ。優しくて他人思い。だからこそ、私の個人的な事情には巻き込んではいけない。

「私さ、好きで男装してるんじゃないんだ。かといって凄く深い理由がある訳でもなくて。」

「……」

「雄英入学が決まって、よし頑張るぞって意気込んでる時に届いた制服が男用でさ。笑っちゃうでしょ？天下の雄英様が、新入生の性別間違えて登録してたの。」

「そんなことが…。」

「そんなことが、本当に起こっちゃったの。でもこの事を指摘したらきっと直ぐに世間に広まっちゃう。世界を守るヒーローを育てる学校がそんな大きなミスをしたなんて、メディアが大きく取り上げないわけが無い。尾ひれつけられまくって、そのうち廃校…だなんて可能性もゼロではないし。そうじゃなくても絶対に良くないことが起きるだろうし。」

「私はこの学校に迷惑かけたくないんだ。だから最善の策が見つかるまではこのまま、隠していきたい。」

この学校には、私の大好きな人がいるから。