【ヒロアカ】手違いで男子として入学しました。 (ページ16)

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16.爆豪くんと雨ページ16

「爆豪くん！危ないよ！戻ろう！」

「あァ！？」

暴風のせいで声も通りづらい。
私は出来るだけ近づいて叫んだ。

「凄い嵐だよ！！危ないから、一旦戻ろうって！！」

「うっせえ！放っとけや！」

「風邪ひいちゃうよ…！」

「こんな所でこんなことしてる方が風邪ひくわ！はよ離せくそオカマ！！」

腕を思い切り振り払われたその瞬間。
先程よりも倍ほど強い風が吹き、あろう事か私の体が浮いたのだ。

「きゃあっ！？」

「何勝手に捕まっとんだぶっ殺されてぇのかテメェ！！！」

思わず近くにいた爆豪くんの服にしがみつく。
物凄い形相で怒鳴られるが、本当に風に飛ばされてしまいそうで手を離したくても離せない。

「ごめん！つい！！でも離せない！！」

私の言葉にますます機嫌を悪くしていく爆豪くんだが、盛大に舌打ちをしたあと、そのまま校内へと戻ってくれた。

「近くでヴィランが暴れてて、そのヴィランが天気を荒れさせちゃったんだって。」

「……。」

結局この嵐がおさまるまで玄関の中で待つことになった。
爆豪くんは胡座をかいて外の様子を見ているようだ。

「みんなは無事に帰れたかな。」

「……。」

「雷とか、鳴らないといいけど…。」

「……。」

「…さっきオカマって言った？」

「あァ！？」

「言ったよね。」

「……。」

爆豪くんって分かりやすい人なんだな。
効果音が付きそうなほど勢いよく振り向いた彼に、私は場違いにも吹き出しそうになるのを堪えた。

「いつからそう思ってたの？」

「……見たら女だってことくらいわかんだろ普通。最初から分かっとったわ。」

「なるほど。」

「……。」

ああそっか。女だってバレてたんだ。
バレてたことに気づかなかった。
爆豪くんは面倒臭そうに顔を顰めて、再び外に視線をやった。

「あのさぁ、」

「あ？」

「オカマって、女装する男の人や同性が好きな男の人のことをさして言うんだよ。だから私はオカマじゃないんだけど。」

「このタイミングでそれ言うてめえの神経どうなってんだよ気持ちわりぃ。」

だって、これからオカマって呼ばれたらなんかいやだし。