【ヒロアカ】手違いで男子として入学しました。 (ページ2)

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2.忙しい休み時間ページ2

緑谷side

「今日の実習何すんのかなー。」
「またヒーロー側とヴィラン側に別れて戦闘とか？」
「それなら今度は前と違う奴と当たりてえな！」
「相変わらず熱いねえお前は。」
「誰とやり合おうがぶっ潰す。」
「相変わらずおっかねえなお前は…。」

週2回の貴重な実習。今日は講師がオールマイトとあって皆足早に更衣室へと向かっていた。

「あれ、つーか水瀬は？」

不意に隣を歩いていた上鳴くんが辺りを見渡しながら呟く。
そういえばほかの男子は居るのに、ただ一人彼だけがこの場にいない。

「ああ、水瀬くんなら後で行くと言っていたぞ。」

「後でって、呑気な奴だな。」

「そういえばアイツ実習の時いっつも開始ギリギリに来るよな。」

「美しくないね。」

「大丈夫かな…。」

皆が心配する中、「つーかさぁ…」と峰田くんが口を開く。

「オイラずっと気になってたんだけど……

水瀬ってオイラたちと一緒に着替えたことないよな。」

「「！」」

「あー確かにな。んでもたまたまじゃね？アイツよく先生に授業の後始末とか頼まれてっし。」

「でもよお、それ以外も普段から皆と距離とってる感じとかするし。」

「峰田くん。行き過ぎた詮索は友としての信頼を失ってしまうぞ。ヒーローとしてもあまり褒められたものじゃない。」

「飯田くんの言う通りだよ。何か事情があるのかもしれないし、本人がいない所で探るようなことは言わないでおこうよ。」

「ちぇ、飯田も緑谷も真面目すぎんだよ…。」

不貞腐れる彼に、僕は苦笑いをする。
確かに水瀬くんはあまり他人と関わりたがらないタイプのようだ。
けれどだからといって僕たちにはどうすることもできないし。
…少し寂しい気はするけど。

暫く歩いていると、向こうから大荷物を抱えた相澤先生がやってくるのが見えた。

「相澤先生。」

「丁度いいところに。…緑谷、悪いがこれ準備室に返しといてくんねえか。急に校長に呼ばれちまって。」

額に汗をかいているところを見ると余程急ぎのようだ。
こっちも急いでいるのには変わりないけれど、生憎頼まれると断れない性分。

「分かりました。みんな、先行ってて！」

先生から荷物を受け取ると想像の数倍の重量で思わず「う゛」と情けない声が漏れる。

「ドンマイ緑谷ー。」

「遅刻すんなよ！」

僕は手を振る切島くんたちに頷いて返して、急いで来た道を戻った。