愛しい人よ 【 alan 】

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(your side)








亜｢あれから、どうしてた？｣








俯いていた顔をこちらに向けて
もういつも通りの亜嵐くん。








『あれから…』

亜｢うん。そのー、彼氏とか…｣

『え、』







それ聞くの？

だって、まだ1年だし。
いるわけない。








亜｢あ、やっぱいい！聞かない方がいい気がする。｣









あぁ、そうか。
亜嵐くんにはいるんだ、そういう人が。
きっとあの綺麗な人だ。


だけど、聞かない方がいいって
どういうこと？








『彼氏なんていないよ』

亜｢え｣








亜嵐くんの言葉を無視して
私が告げれば彼は
驚いたような、
ホッとしたような、
なんとも言えない顔をした。








『この1年、いないよ』

亜｢…あ、そうなんだ｣









その表情の真意を知りたくて、
だけど聞けなくて。


だって、亜嵐くんは
あの人と付き合ってるんだよね？








『恋愛よりも仕事に必死で』




なんて、誤魔化すみたいに
ビールを流し込みながら言えば
亜嵐くんは




｢そっか。頑張ってるんだね。｣



って笑いかける。






どこか寂しくて、
切ない空気感は

これ以上踏み込むな、

って言われてるような
壁を作られたような
あの頃とは全く別の空気感だった。







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