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公園の時計は

24時15分を指している。






きっと彼は来ないんだ。

そりゃそう。


忙しい彼が、
私と別世界の彼が、

来るはずなんかないんだから。









あと15分。
時計が24時30分を指したら、諦めよう。








.








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「ごめん!」









ベンチに腰掛け、
一人俯く私の耳に入ってきたのは
聞き覚えのある声。



パッと顔を上げ、
声のする方を見れば、

向こうから走ってくるその人は
間違いなく彼で、

すぐに私の目の前に到着した彼は
もう一度「ごめん」と言った。









『いえ、あの、こちらこそ勝手に待ってしまって・・・』

亜「ありがとう」

『え?』

亜「もう帰ったかなー、って思ったから」

『あぁ・・・あと5分したら帰ろうかな、って思ってました。』







時計を見ると24時25分で、
「待っていて良かった」って思った。







亜「待っててくれて良かった」







亜嵐くんのその言葉が
私の心の声と重なって、
胸がポカポカした。









亜「でも、本当にごめん。仕事が長引いて」

『いえいえ、お疲れ様です』









自然と隣に座る亜嵐くん。

すぐ隣で聴こえる彼の声に
やっぱりまだ私は慣れていなくて、
すぐに顔が赤くなってしまう。








亜「あ、あの、もし良かったらでいいけどさ」







そう切り出した亜嵐くんのほうを見ると
彼はこっちを見ていなくて、
少し下を見ながら

「連絡先、教えてくんない?」

って言った。






うまく答えられなくて
少しの間が空いてしまったところに


「今日みたいなことがあると困るしさ」


と付け加えた亜嵐くん。






『でも・・・私なんかに教えても・・・』

亜「あ、迷惑だったらいいけど・・・」

『迷惑なんかじゃ・・・』

亜「じゃあ、」








そう言って、手を差し出す彼。


携帯を彼の手に乗せ、
ササっと操作を終えて
それはまた私の手に戻った。









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設定タグ:GENERATIONS , 白濱亜嵐 , LDH   
作品ジャンル:恋愛
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さき(プロフ) - れっどあっぷるさん» ありがとうございます!コメント頂けて本当に嬉しいです!!更新なかなか遅いのですがこれからも応援して頂けると嬉しいです^ ^ (2018年1月3日 15時) (レス) id: e57df57395 (このIDを非表示/違反報告)
れっどあっぷる - すごくドキドキしました!!ほかの作品にはない独特の暖かさがあってほっこりしました!!続きもすごく楽しみです!!更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年12月31日 13時) (レス) id: 42b2636626 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さき | 作成日時:2017年12月4日 14時

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