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それからは当然のように
家、大学、バイトの行き来だけ。
本当に夢だったのかも?
なんて思うくらい。
あの日、亜嵐くんと別れてから
ミカとナオにLINEをしようと思ったけど、
あの出来事を言葉にしてしまうと
途端に嘘みたいになってしまいそうで
そっと私だけの秘密にした。
『お先失礼しまーす』
いつものように、
バイト終わりの路地裏。
もう2週間も前のことなのに
亜嵐くんとここで話したあの日の
一言一句、忘れられない。
ふと見上げたらあの日みたいな星空で
『夢じゃないよな…』って。
「あ、」
相変わらず上を見上げながら
大通りに出た私の視線は
声のする前方に向けられて、
『あ、』
って同じように声を上げた。
「店員さん、ですよね?」
そう、自信なさげに聞く彼は
こないだより少し髪の毛が
明るくなっていて、
だけど、相変わらずマスクを
していてもわかるんだ。
『は、はい!し、しらはまさん!』
亜「ちょ、声でかいです」
『あ、ご、ごめんなさい』
元気っすね、って彼が笑うから
私もつられてぎこちない笑顔になる。
亜「お仕事終わりですか?」
『はい』
どうしてこんなところに。
どうして、また、会えたの。
亜「美味しかったんで、また今度お邪魔しますね」
『ありがとうございます、』
当たり障りない、
だけど胸がポカポカする。
「あ、じゃあ。」
そう言って、
歩きだそうとする亜嵐くん。
だけど、向かう方向は
私も同じで…
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さき(プロフ) - れっどあっぷるさん» ありがとうございます!コメント頂けて本当に嬉しいです!!更新なかなか遅いのですがこれからも応援して頂けると嬉しいです^ ^ (2018年1月3日 15時) (レス) id: e57df57395 (このIDを非表示/違反報告)
れっどあっぷる - すごくドキドキしました!!ほかの作品にはない独特の暖かさがあってほっこりしました!!続きもすごく楽しみです!!更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年12月31日 13時) (レス) id: 42b2636626 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さき | 作成日時:2017年12月4日 14時