【ツイステ】異世界から来た盗人 (ページ17)

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俺だけの＊エースページ17

急に俺らの前に現れたAさん。
初めは鞄の中身が気になってたけど、今はAさんが、気になってる。
少しミステリアスで、でも面白くて、皆が1番みたいなAさんに、俺は惹かれた。
男の趣味は無いけど、Aさんになら何されたって良い……って思うのは、ちょっとおかしいか。

『あ、エース君』
「ｯAさん……！」
話しかけられて、目を見ただけでも心臓がはねる。
やばい、なんか喋ってるけど聞こえない。目が泳ぐ。どうしよ。
『でさ……、エース君？』
Aさんが俺の顔を覗き込む。あ、駄目だこれ。俺の心臓が死ぬ。
「ぇ、ぁ、す、すんません！」
『ｯえ、ちょっ？！エース君！！』
凄い最低な事した。逃げ出した。顔真っ赤だし、涙出そう、はっずい。
後ろでAさんが俺の名前を呼んでる。ごめん、なさい。無理です。
後で謝りに行こう。許してもらえるか分からないけど。

ーー翌日

「ぁの、A……さん」
図書館で調べ物をしてるAさんを呼ぶ。
フッとこちらを向いて顔を明るくする。
『あぁ、エース君。どうした？』
「……昨日は、すんませんした……」
謝ればAさんはちょっと黙る。あ、怒ってるな……。
『……俺、エース君を怒らせ……た？』
「ｯそんな訳！俺がAさんを怒らせるような真似をして……」
『え？』Aさんは惚けたように首を傾げる。
『や、俺は怒ってないよ。寧ろ昨日、俺が話しかけたから逃げたのかと……。
エース君が怒ってないなら良かった』
そう言って頭を撫でてくれるAさん。
心臓がｷｭｳと締め付けられる。

俺はチャンスをめちゃくちゃ逃すのかもしれない。
あのタイミングで告っとけば良かったかもしれない。

でも、俺って意外にヘタレなので！この気持ちは抑えておこうと思う。

だからそれまで、左手は空けといてよね。Aさん。