【ツイステ】異世界から来た盗人 (ページ1)

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Prolog ページ1

ヤバい、かなりヤバい。
どんだけ逃げても彼奴ら追ってくるし。マジで、彼奴ら体力底なしかよ。
ひとまず何処かに隠れよう。何処かに、身を隠せる場所は…

「おい！いたか？！」
「居ねぇ！！向こう探すぞ！！」

先程の野郎共の足音が遠ざかる。へっ、足早くても頭は強くねぇみたい。
『…ここまで来れば、取り敢えず…』
ホッと一息ついてその場に座る、というより、崩れる。
ｽﾞｷｯ
『ｯてェ…！』
あー…さっき刺された所じゃん。通りで血がダバダバな訳だ。
つって、結構刺された。深いかな。１箇所だけでよかった。
『…頭、回んねぇ…』
血が抜け過ぎて辛い。はァ…何でこうなったっけ？
俺なんかした？したっけ？…したわ、彼奴らが闇企業で売買してたヤク取ったわ。何してんのさ2時間前の俺。

隠れたとはいえ、ここら逃げれないのもな。早く家戻って手当しなきゃ。リタに怒られちまう。
『行くか…』

「あっ居たぞ！！！」

『タイミング考えろや！！！！』

普段の俺の死んだ目が更に死にそうになりながら叫ぶ。結局死んでる。
ｯあ”ー叫んだせいでフラつく…。叫ばせんなよこのハゲ。
「はｯ！フラついてやがるぜ！！こりゃ捕まえ易いなぁ…」
あぁそうだろう。お前にとっちゃ絶好のチャンスだろうよ。俺にとっちゃくそ以外のなにものでもねぇけどよ。
あー捕まっちまうのかな。リタ、俺お前に言いたいことある。お前、俺のって書いてあった天丼食ったのまだ覚えてんだからな。地獄で会ったらゴキゴキにしてやる。

「あ？何笑ってやがる」
『…嫌、いろいろと思い出して…』
「ｯハハハ！！！余裕ぶっこいてられんのも今の内だ！！せいぜい泣き喚いて死にやがれ！！！！」
何かに思い切り打たれた衝撃が走った。

その瞬間。

地面が、穴が空いたように。
落ちていく。

落ちる。

ジェットコースターの落ち方と似てるけど、あの浮遊感は無い。否、寧ろ浮遊しすぎてもはや無。
何故こんなにも冷静なのか、自分でも分からない。只落ちていく。

何が起こったのか。
足が着く感触がした。
立ってる。暗い、光のない。
いつだったかに、リタが楽しげにブラックホールの話をしていた。実物かは分からないが、多分こんな感じなんだろう。

ｽﾞｷｯ
『…痛い』
ブラックホールの中でも痛みは感じるのか。

スっ、と足を進めてみる。
俺の意思じゃない、足が勝手に動いてる。

ここは何処だ？俺は一体何処へ行く？何者が、俺を動かしてる？

気づいた時には手を伸ばして＿＿＿＿