いるはずのない人が現れた。【西島隆弘】

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秀太side







ソロのMV撮影が終わり、


西島を見つけた。







「雨降ってんのに何してんだよ、傘くらい持て〜笑」

西『ん』

「どうした、何何〜 」

西『どうしたらいいかわかんねー、秀太ああ』

「何〜フラれたの？ 」




こないだの子のことかな。

そう思って慰めてた。





西 『秀太がステージ連れてきた子覚えてる？』

「ステージ…？いつの？」

西 『2年前のファンミーティングの時』

「あー！與好きの子！ 可愛い子ね」




すごく可愛い、というか

一般人とは思えないような
華やかさを持っている子を

俺はステージへ連れてきた。

勿論、男メンはガン見してた。

特に西島。








西 『その子、秀太の言ってたスタバの店員さん』

「え？ がち？」

西 『だった。』





どうやら、こないだ西島に教えた可愛い子と

ファンミで俺がステージに連れてきた子が

一緒だと言う。






西 『その子、與好きとか知らなかったし』

「うん、」

西『俺だけ舞い上がってた』









話を聞くと、西島はその子と

会って話して、

西島が好きだと聞いていたらしい。

だけど、ファンミーティングの時のあの子だったら、

與が好きだ。

それで訳分からなくなって今に至るらしい。





西 『しかも秀太ばっかでずるいしさーもう』

「それは、しゃーない、見る目があるんだわ笑」

西 『だから今日話してくる』

「あんま感情的になるなよ、」

西 『わかってる、さんきゅ』

「Aちゃんにがつんと気持ちぶつけてこい！」

西 『行ってくる』






そう言って西島を送り出して

2時間が経った頃、

スマホの通知が鳴った。



西島今日泊まり。ありがとう あとで奢ります。




ホッとしたのと同時に羨ましく思った

俺の見つけたAちゃん〜。

いつかもう1回会いてえな。







そんな気持ちを歌詞にしようと思ったり。






_________________





零れていく あの日の記憶が

涙色に染めて



…



想い出にはしたくはないから
振り向かないで


……


君想うことさえもなくなるかな。








「 Aちゃん、幸せになって 」


なんてらしくない言葉は

街のうるさいほどの雑音にかき消されていった

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