目が覚めたら産屋敷邸だった件。3

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貴方side


『…獪岳さんは、私の中でとても重要な、大切な存在です。
善逸くんも、私がここまで生きてこれたことの理由として関係する人です。
大切な人です。

そんな私の“大切な存在”、侮辱するのは辞めていただきたいです。』



要は、“さっさと口を閉じろ糞野郎”である。

しかし、そんな略も受け取れなかった隊士は更に言葉を発する。


｢な、何だよ、そもそもお前、誰だ！！何者なんだよ！！｣



う、わぁ…そう来たか。
あんまり産屋敷の名は言いたくないんだよ…


『…申し遅れました。
私、鬼殺隊階級辛、産屋敷Aという者です。』



私がそう口にすると、ザワっと辺りが騒がしくなった。


｢う、産屋敷だと！？｣

｢もしかして、最近噂になってる隊士の…｣

｢ほ、本当にいたのか、、｣


など、反応は様々だ。




(『だから言いたくなかったんだよ！！！！』)



目立つことが嫌いというか苦手な私は今のこの状況がとても嫌だった。切実にどこかに隠れたい。



｢い、いやぁ〜、お、御館様の側近のお人だったとは、これはこれは、｣

｢さ、先程は失礼を…あ、私は〜…｣


御館様に関わる人間だと知った途端、気に入られた方がいいと思ったのか急に態度を変えて話しかけてきた。


｢う、産屋敷様もこんなヤツらと共に居ない方がいいですよ、コイツら実は結構裏で…｣



…虫唾が走る。
冗談もいい加減にしろ。



『…例え裏切られようが何だろうがそのときは全て私の責任です。

何がどうあれ私はこの方たちを信じたいと、共に戦いたいと思ったのです。


それに。私は付けられた評判で人と関わりを持つと判断する人間では御座いません。』



『……急に態度を変えてきたと思えば御館様の子だから、など。…笑止千万。
御館様の顔に泥を塗ることはお辞め下さいね。』



『…それから私からも1つ忠告というものをさせて頂きます。

私の事は何を言おうが御勝手にください。
ですが、この方たちを悪く言うことは許せません。』



ニコ、と効果音が付きそうな笑顔をし、あら、頬に手を添える。



『私、こう見えてかなり怒っているんですよ。大切な人を傷つけられるのは皆さんも嫌でしょう？』



それに怯えたのか何か、隊士達はコクコクと首がもげるくらいに縦に動かした。



『…ふふ。私たち、共に鬼を滅する組織の仲間です。
…皆さん、これからもよろしくお願いしますね。』






と、しっかり礼をした所で隊士からも慌てて礼をする仕草が見えた。

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