目が覚めたら産屋敷邸だった件。3

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貴方side


『ところで、花柱として動いてい̀た̀時、とは…？』


過去形、ということは、柱合会議でも見なかった限りやはりもう柱は引退しているのか。



しのぶ｢姉さんは、あの時命までは取られなかったものの、かなりの致命傷を受けていました。
そのせいで、柱を続けるには困難となり、引退、と言う形になったのですが、…｣




カナエ｢鬼殺ができなくなってもみんなの役に立ちたいもの！
…今はここ、蝶屋敷で働いているわ。｣



むん！と腕を組み、誇らしげにカナエさんはそう言った。かわいい。



『…な、なるほどです。』



カナエ｢だから基本的には私はこの屋敷のどこかにはいるから、何か分からないことや困ったことがあったら言ってきて。
あ！でも、怪我をして運ばれてくるところを見るのは嫌ね〜…｣



まあ鬼殺をすることに怪我はつきものだからしょうがないとは思っているのだけれど…



そう手を頬に添えながらカナエさんは言う。
確かに、支える側に回った今は、自分が鬼殺をしていた時の気持ちもカナエさんは理解しているから、苦しいだろうな…



現に今、複雑な味がするし。




『…わかりました、できるだけ怪我はもうしないように頑張ります。』



しのぶ｢その為にも、Aさんは明日にある機能回復訓練、頑張りましょうね。｣



『は、はい！』








それから胡蝶姉妹としばらく雑談し、一旦お開き、ということになった。






カナエ｢あらあら〜もうそんな時間なの？
久しぶりにこんなにゆっくりと話せて、楽しかったわ〜！｣






しのぶ｢Aさん、今日はありがとうございました。｣





『そんなそんな、お礼を言わせてもらうのはこちらの方です…貴重なお時間をとって頂いて…』







カナエ｢Aとのお話はとっても楽しいわ〜！
カナヲもAの事が好きになっちゃうことも頷けるもの！｣





『ひ、え、いや、そんな、私が一方的に話しただけなんですけどね…』





カナエ｢…カナヲにはあまり同性の、いや、異性の友達もいなかったの。
だから、鬼殺隊に入って、たくさんの仲間を作って触れ合って欲しい。そう思っているわ。｣




しのぶ｢…カナヲのこと、私達だけでは分かってあげられないこともたくさんあると思います。
だから、どうか、これからもカナヲの心に寄り添ってあげてくれませんか。｣






2人からは、愛情も含まれた悲しい、でも嬉しいといった味がした。
その願いに、私は無言で頷いた。

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