お隣さんが不審者なんですが【fj】 (ページ44)

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お隣さん、四十一日目。ページ44

例の小さな事件が起こった日からもうそろそろ一ヶ月が経とうとしている。
皮肉なことに、あの事件のおかげで、私とフジ君の距離が縮まったと言っても過言ではない。

そして今日は、最俺のみんなと一緒にゲームをする約束をしています。
一応、最俺ハウスに集合って話なんだけど。

「ちょっとフジ君、まだ？キヨからめっちゃL○NE来てんだけど？」

「待って、さっき起きたって言ってるでしょ！
文句言うなら先行ってて！！」

「出てくるまでドアの前で待っとくわボケ！！」

「ありがとう！！」

そろそろ行かないと間に合わない。
だから私はフジ君の部屋の呼び鈴を押したというのに、彼はさっき起きたらしい。
もう9時だよ？？昨日何時まで起きてたの？

案外準備は早いようで、そこから5分程経ったところで、部屋のドアが開いた。

「おはようAちゃん、ほんとごめん」

「いいってことよ。キヨには怒られるかもだけど」

あからさまにやばい、という表情になったフジ君に、私はいたずらっぽく微笑みかけた。

「一緒に怒られよっか」

二人で遅れれば一緒に怒られるのは確定だし。
フジ君も安心してくれたようで、笑ってくれた。
そこから二人で最俺ハウスまで歩く訳だけど。

「いつも思うんだけどさぁ」

「ん？どうした？」

「なんでフジ君ってそんな危なっかしい格好してんのよ？」

「え？」

実写動画のコメント欄とか見ていても、服装について言われてることもあるし、第一見ててハラハラするレベルだ。
なんでそんなに鎖骨出てんのみたいな。
お洒落なのはいいけどさ……

「似合ってるから別にいいけど」

ふいと目を逸らせば、視界の端でフジ君が微笑んだのが見えた。

「ありがと。なら余計やめらんないなぁ」

「そういうこと言ってないってばっ！！」

「なんでそんな否定的なの」

それ聞く？
それ女に言わせる？ねぇ？
別にやましいことは無いけども！

「……だってさぁ、そんな格好してるから変な目で見られるんじゃないの？私そんなのやだよ」

「……あー、それは一理あるかも」

一理あるならやめろ？？
その言葉は心の声止まりだったけど。

「じゃあこういうのはAちゃんの前だけにするわ」

「……もう」

なんでそんな恥ずかしい台詞をバンバン言えんの？
おかげでこっちはオーバーヒートだわ。
エキサイトバイクだわ。(？)

「……ほら、もう着いたよ？」

私はそう言って、ドアを開けた。