６９. ページ22
·
外に出ていると、周りからの視線がすごくて
わたしは校舎の中に入ろうとする
直前で掴まれる腕
〈……どうゆうこと？〉
顕嵐さんの厳しい言葉と視線
グサッと刺さるそれは、彼の本心で。
『…ごめん、あとで説明する
今は、瑞稀、探してるから！』
〈え、ちょっ、Aちゃん！！〉
そりゃあそうだ。
顕嵐さんは、わたしと瑞稀の仲をいつも心配してくれて、時には可愛いとか言ってわたしを困らせることもあるけど、
全部全部、優しさなんだ
それなのに。
裏切った風に見えるのも、しょうがない。
·
『……っ、瑞稀！！！』
刹那、ビクッと体が震えた
廊下でとぼとぼ歩く後ろ姿は、
いつもより小さくて。
駆け寄って、その背中に抱きつく
『…ごめん、ごめん、ごめん、
……瑞稀のこと、傷つけて、ごめん…』
伝えたいことはいっぱいあるくせに
それに相応しい言葉が見つからない。
すると、瑞稀が大きく深呼吸した
「……分かってるよ。
俺の紙は… " 好きな人 " だったから、」
あの時、ちらりと見えた紙に
わたしは胸がぎゅうっと苦しくなった
わたしも瑞稀が好きなのに、
堂々と、好きだと言えないのが辛くて。
瑞稀は、ゆっくりわたしを離して
振り向き、抱きしめた。
心臓の音が、シンクロする。
やっぱり、兄弟なんかに
生まれてくるべきじゃなかった。
この愛しい気持ちを、
隠すことしか出来ないなんて、悲しいでしょ？
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 374人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ささら(プロフ) - 夏(なの)さん» 夏音さん、ありがとうございます（笑）わたしも驚きの展開だったので、読んでる方はもっとだと思います、、、でも最後まで読んでくださって嬉しいです！ありがとうございました。 (2017年12月29日 11時) (
レス) id: e53e47af50 (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - 完結おめでとうございます！(遅い)２ヶ月くらい通知を見てなかった物で、通知が過ぎ去り。いやまさか！あのイケメン那須くんが男の人を好きだったなんて！！ビックリだ…なんて驚きの展開ですね(笑)とっても楽しかったです！ (2017年12月29日 8時) (レス) id: 5d55c4341d (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - Ryolove＿1030さん» ありがとうございます！がんばりますっ！！！ (2017年9月6日 7時) (レス) id: e53e47af50 (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - れみさん» ありがとうございます！こんなに素敵なコメントをいただけて、わたしもすごく嬉しいです( *´艸｀)はい！頑張らせていただきます！！ (2017年9月6日 7時) (レス) id: e53e47af50 (このIDを非表示/違反報告)
Ryolove＿1030 - 完結お疲れ様でした!次の作品も楽しみにしてます！ (2017年9月5日 22時) (レス) id: 0f2b396b50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ささら | 作成日時：2017年7月23日 17時
