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海辺を歩く彼女の後ろ姿が見えた。
「っちょっと、待って！！」
俺の声に彼女は振り向く。
あぁ、もう。また泣いて。
今なら全部わかってしまうところが、辛い。
『……なぁに』
「…これ、大事なんじゃないの、」
彼女はその写真を見て、目を見開かせた。
『……見たの、』
「うん、ごめん」
『………ううん、いいの。
美勇人くんは、気付いてたしね、』
それを手にすると、大切そうに愛でては
幸せそうに微笑んだ。
それだけで、ぐっと胸が詰まる。
『……結婚、するはずだったの。』
「…え………」
潮風で靡いた髪が、ふわりと俺に触れる。
衝撃と、彼女の涙が、俺を
全部支配した。
『…わたしは、東京で、謙太郎は、この島で、
…遠距離だったけど、お互いずっと好きだった。
……でもなんか…あいつ勝手に死んだでしょ？
そんなのさ、…忘れられるわけ、ないじゃん、っ』
スーツケースにしがみつくように
その場にしゃがみこんだ彼女。
こうやって彼を思い出して泣く日が
彼女には今まで何度あったのだろう。
『っ……まだ、好きだよ、やっぱり、っ
だから、会いに来たのに、っ…もう、いないから、
会いたくても、っ、会えない……っ』
目の奥がツンとした。
こんなに人を恋焦がれて、会いたがってるのに
その人はもう、いないなんて
こんなに哀しいことは無いだろう。
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ささら(プロフ) - ハルさん» こちらこそ読んで下さりありがとうございました！！ (2018年9月15日 1時) (
レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - キュンとして切なくてステキなお話ありがとうございました！ (2018年9月4日 22時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささら | 作成日時：2018年8月6日 20時
