１４.［Day3］ ページ14
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『…なぁに、これ』
居間にどかんと置かれた野菜とお米。
美勇人くんがへへっと笑いながら答える。
「…お土産。貰い物余ってるから、重いかもだけど持って行って？」
『え、そんな、お土産もらうほど』
「お手伝いしてくれたでしょ？それに、ね？」
美勇人くんが、なにかに目配せすると
彼女はすこし驚いた顔をした。
『……気付いてたの、？』
「昨日ね。
俺は顕嵐みたいに馬鹿じゃないからさ〜」
「はっ？なにそれ、」
顔を顰めながら聞き返すと
ふたりとも、全く相手にしてくれなかった。
『ねえ、顕嵐くん』
「……………なに」
『最後に、海行きたい』
-
波打ち際で、裸足になって歩く。
ダスティピンクに染められたペディキュアが
透明な水に透けて、すごく綺麗で。
『…顕嵐君はねえ、甘っちょろすぎるんだよ』
「は？」
『だめなの、こんな大人に構ってたら』
急に始まったお説教じみた話。
水面をじーっと見つめながら
俺の顔も見ないで話す彼女は言葉を続ける。
『…きっと、顕嵐くんはわたしのことなんか、好きじゃないよ。それは、恋じゃないよ。』
「……恋かどうかくらいわかるよ」
『ううん、違うよ。違うってことにしなきゃ
…………わたしが、辛いから、』
詰まった言葉は、想像してたより
俺の心臓をぐさりと刺した。
なんだ、それ。
『……わたしは、もういなくなるの
わたしのことなんか、好きでいちゃいけないの
…もう、忘れなきゃ、いけないでしょ、？』
それなら、なんで。
ぱしっと腕を掴んで俺の目を見させた。
顔を合わせさせた。
「……それなら、なんであんたが泣くの」
これで彼女の涙を見るのは、２回目になった。
太陽が海面に反射して、視界を覆うと同時に
彼女は、俺にキスをした。
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ささら(プロフ) - ハルさん» こちらこそ読んで下さりありがとうございました！！ (2018年9月15日 1時) (
レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - キュンとして切なくてステキなお話ありがとうございました！ (2018年9月4日 22時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささら | 作成日時：2018年8月6日 20時
