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「顕嵐、ろうそく持った？」
「やべっ、チャッカマンがない〜」
「……聞けよ」
バタバタと慌ただしく駆け回る。
それに気付いたのかうるさかったのか、
彼女が２階から降りてくる。
『もういくの？』
「うん、真っ暗だと危ないからね」
ちょっとだけ出た太陽に助けられながら歩く方が
まだ安全だろう。
きっとつく頃には真っ暗だろうけど。
彼女は、微笑みながら俺らを見送る。
『いってらっしゃい』
「気をつけてね」
「鍵閉めなよ〜」
彼女が鍵を閉めたことを確認してから
俺らは目的地へと歩き出す。
-
「ふぅ〜、相変わらずこええな」
「ねえもうさ、夜来るのやめない？墓地だよ？」
「俺も思ってた。」
ふたりでくっつきながら
いつもの道を歩く。
ぱっと見つけたそれには、
すでにお花が供えられていた。
「…誰だろう、」
「………命日だからな」
「だって、今まではさ、こんなこと」
美勇人くんの方を向くと
お墓を見つめて、見たことのない顔をしてた。
ぐっと喉の奥が詰まって
一気に苦しくなった。
「…やっすー、今年はお客さんがいるよ
たまには見に来てよね、俺らちゃんとしてるから」
そう語りかける彼が、ひどく寂しそうで
俺の立場なんてないんだったって
心の奥で、微かに思ってしまった。
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ささら(プロフ) - ハルさん» こちらこそ読んで下さりありがとうございました！！ (2018年9月15日 1時) (
レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - キュンとして切なくてステキなお話ありがとうございました！ (2018年9月4日 22時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささら | 作成日時：2018年8月6日 20時
