蝶よ花よと美しく２ (ページ3)

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fouty-three ページ3

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めずらしくよそ行きの服を身につける彼女に

不思議な顔をすると。

『……今日、会いに行くの』

「え……お父さんに、？」

『もう、最悪。いつの間にか家バレててさぁ』

まるで冗談を言うみたいに
けろっとする彼女に違和感を覚える。

ほんとは、きっと。

「…見栄、はらなくていいよ」

『はってなんか…』

「……ほんとは会いたくないくせに」

ピアスをつける手を止め、
機械が停止したみたいに動かなくなったあと

彼女はその場にしゃがみこんだ。

後ろから包み込むと

俺の腕に君の手が添えられて。

『…会いたくないよ、っ……

晴ちゃんに、合わす顔もないし、っ…
あんなやつと話したくもない……。』

震える声が、頬を流れる涙が

彼女の苦しみと葛藤を表している。

涙でぐしゃぐしゃの顔になってしまった彼女は
ふっと、頬を緩め、俺に凭れた。

『…どうしよっか、アランくん』

「……ん、？」

『もうすぐね、迎えに来るんだ…車』

「…うん」

『……もう、わかんないや』

小さな小さな呟きが

空を切って、どこかに消えた。

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