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「……だぁいぶ、ヘビーだね。」
美勇人くんの第一声はそれだった。
確かにこんな重い話、
他人にする話じゃないけど
俺はもう、キャパオーバーだった。
「…まず、
……顕嵐は、誰の気持ちを尊重したい？」
「誰の……。」
「俺は、顕嵐のことしか分からないし顕嵐のことを助けたいよ？でも、話聞いてる限り、顕嵐は全部捨てて逃げ出しちゃえば、少なくとも自分だけは楽になれる。
でもそれが出来ないってことは
自分以外に助けたい人がいるからでしょ？」
彼の言葉はすとんと俺の中に落ちて
ほんとの気持ちに気付かせてくれた。
「…俺は……ずっと…
Aが好きで…叶わないってわかってからも、一緒にいたい、って、ただ…。」
血が繋がっていたって、俺は君とずっと一緒にいる未来を想像してた。
恋人同士として。
けれど、彼女は、俺を家族にしたかった。
少なくとも初めて会った時点では。
なのに、好きになってしまって、体を重ねて。
それはいつの間にか罪悪感となって
彼女の心の中に積み重なっていたんだと思う。
本能的に俺を拒絶した彼女は
また俺と唇を重ねることはないだろう。
「…顕嵐はもう、わかってるんじゃないの？
ほんとのところでは…どうしたらいいのか。」
美勇人くんは、俺に語りかけるように
柔らかな声をかけた。
彼から目をそらすように窓の外を見ると
雪はしんしんと降り、
真白に世界を染めていた。
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作者名：ささら | 作成日時：2018年2月23日 20時
