蝶よ花よと美しく (ページ9)

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「で？どうゆう関係なの？」

「忘れ物届けてくれただけだって！
………美勇人くん、そろそろうざい。」

奢ってくれるなんて珍しいと思った。

まんまとついてきた数時間前の自分が
恥ずかしい。

「ええ？だっておかしくない？
わざわざ店まで届けに来てくれるかぁ？」

「それだけいい人なんじゃないっすか、」

「ほら、知ったような口ぶり」

「今のはたまたまだよっ！」

くいっとグラスを傾けると

氷が唇にぶつかって口元を濡らした。

でも。

心当たりはないのに
会ったことのあるような気がすごくする。

あの声と、あの笑顔。

俺の頭の奥底深くにある何かが
まったく思い出せない。

「名前とか知らないの？」

「名前ねぇ……あ、」

「ん？なになに？」

「こないだキャバ行ったじゃないすか。

そこのお店で働いてて、
俺らが行ったときヘルプにいたって。」

すると、美勇人くんは眉間に皺を寄せ

険しい顔をした。

「はぁ？何言ってんの。
あの時、ヘルプなんていなかったよ？」

「………え、？」

彼女が、ついたであろう嘘は

真実かわからないまま、存在させたかった。

何が何だかわからなくて
全部が嘘なんじゃないか、と

俺の芯の部分が疑い始める。

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