蝶よ花よと美しく (ページ20)

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『え？飲めないの？』

「うん」

『ホストなのに？』

「うん。……やだ？」

『………え～、ちょっとやだ。』

彼女はからかうみたいににやりと笑って
俺の体にもたれた。

それだけで感じる柔らかな体に

どくんと胸が跳ねる。

「ごめんね。」

『…いいけど。……弱いの？』

「や、俺まだ１９だから……。」

『……え………？』

これ以上ないくらい見開かれた目

事柄を把握出来ていないような顔をして
何度もキョロキョロする。

俯いて、顔を上げて、また俯いて。

ふと顔を上げたかと思えば
その顔は真っ赤になっていた。

『待って……え…？』

「…驚いた？」

『未成年、って……犯罪じゃない…？』

「ふはっ、じゃないよ。」

ええ、と嘆く彼女に
俺ももたれかかってみる。

すると、あっさり頭をどかされて。

『……わたし、めっちゃ恥ずかしくない？』

「なんで？」

『１９の子に、あんな…鳴かされるとか、』

「そこなの？」

林檎みたいに真っ赤な顔は
俺の肩にうまっていて、全くというほど
顔が見えない。

それにすら、俺の胸はときめいて

まるで恋してるみたいだった。

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