蝶よ花よと美しく (ページ12)

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『先シャワー浴びる？』

「………や、先いいよ」

そう言うと彼女は頷き
軽い足取りでバスルームへ向かった。

ピンクの照明が、どこか落ち着かない。

きっと照明なんかのせいじゃないけど
逸る気持ちが、八つ当たりさせてる。

＿＿＿＿＿

「………このあと、アフター入ってる？」

『ううん、』

「俺が、貰ってもいい？」

口に出した瞬間、
自分でも意味がわからなかった。

なのに、

彼女はすんなりと受け入れ
けろっとして言ってのけた。

『どうぞ？』

「え………いいの」

『うん、どうせ暇だし
アランくん上手そうだからね～』

単純に、狂ってんなって思った。

でもそれと同時に
人気がある理由もわかる気がした。

黒服が扉から顔を覗かせる。

『……わたし行くね？』

「あ、うん。じゃあ…」

『２３時に、そこのホテルで。』

最後に彼女は

ほんとに楽しそうで
無邪気な笑顔を見せた。

＿＿＿＿＿

少し濡れた髪が
ベッドに水滴をつけては、シミになる。

「……いいの、ほんとに」

『なんで、アランくんが躊躇するの、』

「……わかんない」

すると彼女は、急に雰囲気を変え
俺の首に腕を回す。

『……はやく、抱いてよ』

その言葉は、俺の理性を崩した。

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