ミルクティーに角砂糖。【進撃の巨人】

い と し さ を む ね に ページ5

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　エルヴィンは混乱していた。

　確かにAを起こすように頼んだのは俺だ。
　しかしこれはどういう状況だ？


　落ち着け、これまでの事を思い返せ。
　まず俺は昼頃、壁外調査についての話し合いをする為にこの旧調査兵団本部へと足を運んだ。
　そして会議室に班員全員を集合させた。そこで俺はAの姿が見えない事に気が付いた。Aはどうしたと聞くと、ペトラは「昨晩寝ずに書類を終わらせたって今朝言っていたから、多分寝てると思います。」と答えた。

　そこで書類を取りに行くと言うリヴァイに、ついでにAを起こすよう頼んだ。
　彼が去った後、リヴァイ班の兵士達としばらく談笑し、何気無く時計を見ると驚く事に彼が出ていってから三十分も経っていた。

　「様子を見てくる。」

　そう言い残し部屋を出て、まずはここから近い所にあるAの部屋へと向かった。
　そして冒頭に至る。



　俺がAの部屋で見たものとは、ベッドでリヴァイに腕枕をされているAも、包むように彼女を抱き締めているリヴァイも、気持ち良さそうにすやすや眠っている一見微笑ましい光景だった。俺はその時、リヴァイが寝ている所を初めて見た。

　というか何で起こしに行ったお前が一緒になって寝ているんだ……。

　頭を抱え心の中で呟く。口に出さなかったのはどうしてか。
　この不毛な恋を応援する気なんて更々無かったが、寄り添って眠っている二人の寝顔を見た時には心に何か暖かいものを感じた。結局俺には彼らを起こすことが出来なかった。


　「集まって貰ったのに申し訳ない。今日の会議は中止だ。」


　でもリヴァイ、お前の部下にこう言う俺は、やっぱりお前の恋を応援している事になるんだろうか。




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　彼が死んでしまってから、私はあまり眠れなかった。眠ることはできたものの、それはとても浅いもので、いくら眠っても精神的にも肉体的にも疲れが取れなかった。

　けれど、徹夜明けの今日は何故だかぐっすりと眠れた。
　夢さえも見なかった。
　体も心も軽くて、そんなのは、彼が死んで以来初めての事だった。

　目覚めたのはなんと半日以上経ってからで、日も暮れていた。目を開けると目の前には兵長の寝顔があった。


　「……え、………。」


　状況が把握できない。どういう事。
　何で兵長が？
　もしかして、兵長がいたから。
　兵長がいたから眠れたんだ。

　そんなことを思いながら、私はまた、瞳を閉じた。

あ の ひ の や く そ く→←ま ち ぼ う け の あ さ

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