花の色は【wrwrd】 (ページ8)

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触れないで/sha ページ8

好きや。

その一言が言えたらどれほど楽になれるだろうか。君はどんな顔をするのだろうか。
嬉しそうに、何時ものように笑ってくれるやろうか。
それとも、ごめんねと言って泣きそうな顔で笑うのだろうか。
.......どうせ後者なのだろうな。

勇気の一欠片も持っていない俺は、今日もAの”友達”として隣を歩く。

＿＿＿

「なあ、Aって好きなやつとか.....おらんの？」

勢いだけで出てきた言葉はゆっくり、だけどしっかりとAに届いたようだった。

沈黙が痛い。早く答えてくれよ、そう思いながらちら、とAの方を盗み見る。
心做しか顔が赤いように見える。
(あー、やっぱおるんやな....)

いやでもそう実感させられ少しだけ泣きそうになってしまった。

『まぁ.........おるよ......。』

ほらやっぱり。涙がこぼれそうなのを必死で我慢するようにズボンの端をぎゅっと握る。

その好きなやつが俺だったら、どれだけ嬉しいだろうか。

どれだけ、好きにさせれば気が済むのだろうか。

「.......帰るか。」
そういった自分の声は、驚くほど震えていた。