短編集の主役は？

続き ページ32

ショッピくん視点








Aから全部聞いた。





最高50歳ぐらいまでしか生きられないこと。






そしてこれは遺伝する病気ということ。




つまり。





子供を産んでも、その子供がウェルナー症候群だという可能性が高いということ。








全て嘘だと思った。信じたくなかった。








『嘘やろ、？』





そう言った自分の声は知らない赤の他人の声に聞こえた。









28歳。





Aは30歳。







元気な女の子が生まれた。







すごく可愛い。




しかし、もし病気だったらどうしよう。





とか、Aが死んでしまったらどうしようとか、





得体の知れない大きな不安と恐怖が俺の心を支配する。









その翌年。







Aは死んだ。







病名は＿＿＿＿





脳死。






『なんでっ、なんでや、Aっ！』





そう嘆いて泣いては死のうか。



と考える毎日。






死ねるはずがない。




まだ幼い娘もいた。








ある日、先生からある提案をされた。









ドナー。






Aをドナーとして残った臓器をあげてくれないか。




ということだった。









ドナー。




Aなら真っ先にドナーになります！と言ったことだろう。






そこから毎日考えた。





Aがドナーになったら。





臓器を






あげたら、。







考えて、考えて。





考えた結果。







『Aをドナーとして、臓器をほかの子のために生かしてやって下さい。』





そう言っていた。






Aだったらこうするだろうな。





臓器とはいえ




ほかの人間の中でAが生きてくれている。




そう考えると自然と笑っていた。








「ありがとう。」





そんな優しかったAの声が気がした。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
数十年後









「おとうさーん！



はい、お弁当！」









そう言ってお弁当を渡してくれた娘の髪には









うっすらと白髪が生えていた。









＿＿＿＿＿＿ｷﾘﾄﾘ＿＿＿＿＿





ウェルナー症候群です。






早く老いてしまう病気とは別に老わない病気とかないんですかねー、？






うーん？

大好きな先輩へ。/ci→←ウェルナー症候群/syp

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