優等生 ページ25
「待たせたかな、ごめん」
早い足音、焦ったように開けられたドア
少し苦しそうな呼吸
急がせてしまったなら申し訳ない
隣のクラスの大樹くん。
球技祭でたまたま見かけてから、私の片想いは始まった。
だから、大樹くんがクラス委員をやったと聞いたから、まとめ役が苦手でもクラス委員を務めた。
バスケ部も意識的に応援しに行ったし、私のクラスの女子の誰よりも仲良くなれたはず。
( 落ち着いて、私 )
きっと上手くいく。そう言い聞かせながら言葉を返す
「ううん、私こそ急かしたみたいでごめんね」
「伊原に呼ばれるなんて珍しいから俺が勝手に急いだ。どうしたの?」
そう。私は彼を放課後の教室に呼び出した。
なのに、彼はまた優しい言葉をかける。
そんなところが、たまらなく、すき。
今日のためにバスケ部のクラスメイトから予定を教えて貰って、鏡の前で練習も重ねた。
「今日は、言いたいことがあって」
「そっか。」
「………ごめん、ちょっと時間かかるかも」
「いいよ、ずっと待ってる。」
おまじないは効かずに心臓が飛び出そうなほど緊張して、グズグズしている私を優しく宥める。
しかも、彼は私の隣の席に座った。
「伊原も座りなよ」
「う、ううううん」
頬付を付きながら微笑む姿が愛おしすぎて、慣れているはずの自分の席に座ることさえ緊張してしまう。
こんな人の彼女になって、ずっと隣にいられたらどんなに幸せなんだろう。
頭が良くて頼りになるし、部活だって誰からも愛されて。
早く帰りたくてイライラしてもおかしくないのに、席に座って待っていてくれる。
そんな貴方が
「大樹くん、好きです。私と付き合ってください」
伝えた頃にはすっかり夕日が。
タイミングが良いのか悪いのか、チャイムも鳴った。
それを聞いて二人で笑ったけど、それどころじゃなくて。
しばらくして彼が咳払いをしてから、オレンジに照らされながら笑った。
その笑顔が、私の脳裏に焼き付いて離れない。
目を閉じれば、貴方がいるから
気持ちの距離だって、近付いた気がした
◇
continue…
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ふわ(プロフ) - 一話目できゅんとしたので寝ます(現在時刻5時近い)。おやすみなさい (2018年5月16日 4時) (レス) id: b47c9aab73 (このIDを非表示/違反報告)
ぐらたん。(プロフ) - ぱすてる。さん» 私の中のイケメン顔を言葉にしたまでです!笑 そちらの大樹くん、凄くイケメンさんなんですね(^-^) もしかしたらそうかもしれませんね笑 (2017年6月4日 23時) (レス) id: 685aa578b1 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる。(プロフ) - ぐらたん。さん» いやぁキュンキュンし過ぎて死にそうです(^▽^)←あとね、目が大きいのと、鼻がスッてしてるのも同じでww「作者様ウチの学校に居る人なん?」って思いましたw (2017年6月4日 18時) (レス) id: d16cb90e4d (このIDを非表示/違反報告)
ぐらたん。(プロフ) - ぱすてる。さん» おおお!こちらで用意した仮の名前がぴったり合っているとは(^-^)どのお話も、変更しなければ大樹のままなので、ぜひお楽しみください(^-^) (2017年6月4日 18時) (レス) id: 685aa578b1 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる。(プロフ) - はっ!一話目に出てきた「大樹」って人、私の好きな人と同じ名前なんですよwwきゅんとしたので寝ます← (2017年6月4日 17時) (レス) id: d16cb90e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐらたん。 | 作成日時:2016年7月19日 15時