きゅんとしたら寝ろ。

年上 ページ2

「A、大樹。来た。 」
「すいません先輩今開けます…」


２つ上のバイト先の先輩。
私は今風邪をひいて寝込んでいて、心配した先輩が看病しに来てくれた。

つまり私と先輩は、恋人という関係でありまして。

バイト先では見られないラフな格好と、靴を綺麗に揃える几帳面さに思わず胸を締め付けられる。


「ポカリとか買ってきた 」
「わ、嬉しい…大切に飲みます！ありがとうございます！」
「寝てたよね、ごめん歩かせて」
「いえ、わざわざありがとうございます」


ベッドに座っていると、横になりなさいと言われ、布団にくるまった。

どうしてこう、先輩に心配をかけてしまうんだろうと反省。



「これ、高校の友達？」
「そうです！この子が前話したあっちゃんと山田です！」
「あ、ブランコから落ちたって子？」
「ふふ、そうです。」
「楽しそう。高校楽しかったなぁ」


先輩は大学生。
学校の時間は会えないけど、大学生だとこういう日に頼りになる。


先輩からもらったポカリを１口、飲む。
体に入っていくのがわかって、一気に元気になった気がした。

否、先輩が来てくれたから元気になった。






「早く風邪直して。Aがいなきゃバイトバイトいきたくない…」





目を瞑っている私に、聞こえないようにそっと呟いた先輩の声。

ちゃーんと聞こえてました。

バレたくないけど、本当は子供っぽいところもあって、甘えん坊なこと。知ってます。



「俺も風邪ひきたい…バイトやだ…」





大樹先輩、それはだめです！






◇
年上

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