風邪っぴき ページ23
「どうですか、お腹は空きましたか？」
「あんまり」
「そうですかそうですか、でもちょっとは食べようね」
「…うん」
数時間前の私と大樹のメッセージ。
A今日何時に駅だっけ
大樹ごめん俺熱出たっぽい
Aマジ?看病いくよ
大樹あざます
と、言うことで今に至る。
どうやら小学生の弟から貰ってしまったみたいで、38℃の熱。
「大丈夫？」
「大丈夫だったら遊びに行ってる…」
「そうだよね〜」
「…ごめん」
「あはは、申し訳ないと思ってたの？」
「…うん」
「気にしないで、早く治して」
普段馬鹿みたいにテンションの高い大樹がこんなに弱っているのは、なんだか可愛い。
漫画みたいに潤んでる、とまでは行かないけど元気の無いとろんとした目。
寒気のせいで鼻まで布団をかぶっているから赤くなった頬。
そして、ずっと寝ているから寝癖のついた髪を少し触る。
「んー、何」
「あはは、なんか大樹今日可愛いなって」
「病人を馬鹿にしやがって」
「だって大人しいなんて珍しいじゃん」
もー、と目を伏せる大樹。
いつもはなかなか見れないスウェット姿にもきゅんとする。
おかゆを用意すると、大樹は食べるために起き上がる。
その動作すらもだるそう。
「うう…」
「熱いから気をつけてね」
ふーふーとおかゆを冷ます大樹。
しばらくしてぱくりとスプーンを咥えた。
冷ましたはずなのに、まだ熱そうにして噛んでいる。
そのおかゆを食べたあと、はっとしたように体温計を測る。
「なんかすっごい下がりそうな気がする！」
「でも、今日は寝てなよ？」
「大丈夫だって、絶対なお＿＿＿＿＿」
ピピピピ、高い音が鳴って、大樹は急いで体温計をチェック。
どうだったの、と覗き込むと、37℃8分。
「ほら下がってないでしょ、はやく寝てなよ」
「下がったー！」
「え？」
「急いで着替えるから！ねえどこいく？」
「ちょ、ちょちょ大樹？」
「なに？」
まだ熱があるというのにクローゼットから服を引っ張り出し、着替え出す。
だけど当の本人は、どうして止められたのかわからないようなきょとんとした顔。
「37℃は微熱だから」
「そんなことないよ、大樹平熱低いんだから」
止めようと布団をかける。
すると大樹は大人しくなった。
「早くデートしたいの。それがダメなの？」
馬鹿だなぁ。
私は大樹のそばにいれればなんだっていいのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 204人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわ(プロフ) - 一話目できゅんとしたので寝ます(現在時刻5時近い)。おやすみなさい (2018年5月16日 4時) (
レス) id: b47c9aab73 (このIDを非表示/違反報告)
ぐらたん。(プロフ) - ぱすてる。さん» 私の中のイケメン顔を言葉にしたまでです！笑 そちらの大樹くん、凄くイケメンさんなんですね(^-^) もしかしたらそうかもしれませんね笑 (2017年6月4日 23時) (レス) id: 685aa578b1 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる。(プロフ) - ぐらたん。さん» いやぁキュンキュンし過ぎて死にそうです(^▽^)←あとね、目が大きいのと、鼻がスッてしてるのも同じでww「作者様ウチの学校に居る人なん？」って思いましたw (2017年6月4日 18時) (レス) id: d16cb90e4d (このIDを非表示/違反報告)
ぐらたん。(プロフ) - ぱすてる。さん» おおお！こちらで用意した仮の名前がぴったり合っているとは(^-^)どのお話も、変更しなければ大樹のままなので、ぜひお楽しみください(^-^) (2017年6月4日 18時) (レス) id: 685aa578b1 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる。(プロフ) - はっ！一話目に出てきた「大樹」って人、私の好きな人と同じ名前なんですよwwきゅんとしたので寝ます← (2017年6月4日 17時) (レス) id: d16cb90e4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぐらたん。
| 作成日時：2016年7月19日 15時
