クリスマスじゃなくて、イブですから！！【黒尾鉄朗】 (ページ5)

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「.......は」

『クリスマス・イブですから！！』

私はボタンに手をかけているクロさんの手を掴むと、そう叫ぶ。
自分でも咄嗟に言ったことなので、ぽわぽわする頭を回転させながら次の言葉を考える。

『こっ子供の頃ってクリスマス・イブにプレゼントを頼んで、クリスマスにプレゼントが来るよにするじゃないですかっ！だから、まだクリスマス・イブだから、プレゼントはまだです！！』

「はぁぁぁぁぁぁぁ？！？！」

クロさんは私の言葉にため息をつきながら、その場に倒れ込む。
私も同じようにフゥと息をついて、ボタンを元通りにする。

あっ危なかった......。
あのままじゃ、一線を超えるところだった...。
よくやったわA。これで後はクロさんを家から追い出せば、ベッドで寝れる...

『クロさん、家に帰ってください。』

「......あとちょっとだったのに。」

「くそー！！」と言いながら、ベッドにグリグリ顔を当てながら唸っているクロさん。
これで完全勝利...！！いつも弄られてばかりの私がやっとクロさんに勝った...！！
これでクロさんも諦めて帰ってくれるはず...。

【ｼﾞﾝｸﾞﾙﾍﾞﾙｼﾞﾝｸﾞﾙﾍﾞﾙｽｽﾞｶﾞﾅﾙ】

『......え、』

「あ、」

部屋の真ん中に飾ってある時計の針が12時を示す。
そしてクリスマスの日になった時に鳴り響く、ジングルベルの音楽。
そういえば、小さい頃からこの仕掛けが大好きでずっと消してなかったっけ...。

『.........私、用事があったみたいです...。』

「夜中の用事なんて浮気か？」

『なっ！！私はクロさん一筋ですから！！』

「あらー？嘘はいけないな－？」

『はっ！！ちょっ......んにゃぁ』

クロさんは私の頬を舌で舐めると、私の耳元でこう囁く。

「クリスマスなら、もうプレゼントは届いてるはずだよな？」

クロさんはそう言うと、私の唇にキスを落とした。