百六十二話 ページ27
「というか………君たち学園でカローン班に秒で負けたんだろ。
勝算ないのに、なんでこんなところまで追いかけてきちゃったわけ」
「言っただろう、ヴィルの危急存亡のときだと。」
「危急存亡。辞書によれば、危機が迫り、生き延びるか滅びるかの重大な瀬戸際のことだね。
ルーク・ハントさんは何度もその言葉を口にするけれど………
ヴィル・シェーンハイトさんは、なにか命に関わる重大なトラブルを抱えているの？」
あ、この子がオルトくんか。
「いいや。しかし時を失すれば、あるいは。私たちはヴィルの危機的状況を打破するために馳せ参じた。愛する友のためならば、この身がどうなろうと構わない。
どうか、ヴィルにこれを届けてくれないか………！」
そう言ってルーク先輩はスキンケア用品セットをシュラウド先輩たちに渡す。
あ、そういえば私も鈴木からシュラウド先輩への手紙を預かってるんだっけ。
「なにこれ？飲み薬、じゃないよね。」
「瓶内部の成分をスキャン。
主成分は水、ビタミンC、コラーゲン、薬草由来の精油………コレって、もしかして………」
「そう！ヴィル愛用のスキンケア用品さ！」
「命に関わる薬じゃないんかい！！！
えっ………ほ、本当にただのスキンケア用品？
脱走を企てるため、化粧品と偽って危険な魔法薬を差し入れに来た……とかじゃなく？」
「いま全ての成分をスキャンし終わったけど、腐食性の液体や、毒性の強い成分は一切含まれていない。本当に、ただの手作り化粧品みたいだね。」
「や、やば………どこからツッコんでいいかわからん。
そんなもの、命を危険に晒してまで届けにくる必要ないでしょ。どう考えても。」
「何を言うんだい！！！
「あんたらは、スキンケアをサボったときのヴィルサンの恐さ知らねぇから、そんなことが言えるんだ！まんずおっかねぇはんで！！」
「いやそんな力説されましても……え……君ら他に要件ないの？マジでそれだけ？」
「ウィ！」
「被検体へ化粧品を届けるために嘆きの島を襲撃するなんて。
S.T.Y.Xの保有するスーパーコンピューター・システムをもってしても予測不可能な行動パターンだ。」
「ルーク氏エペル氏の目的はわかった……全っ然理解はできないけど、わかった。
で、そっちの君たち……オンボロ寮の監督生氏とスズーキ氏の友人。君たちは何しにきたわけ？」
ちょっとまってスズーキ氏の友人は草。
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サリー - 地獄の番人さん» コメントありがとうございます！これからも頑張っていくつもりです！ (2022年12月29日 10時) (
レス) @page4 id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 続編おめでとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2022年12月27日 21時) (レス) @page3 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリー | 作成日時：2022年12月27日 19時
